親知らずを抜いた場所に違和感が残る?

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「親知らずを抜いた場所に違和感が残る?治るまでの過程とは?」

こんにちは!仙台の歯科クリニック『デンタルフラッグ・ステージ二日町』の院長、前澤訓(マエザワサトシ)です。

今回は、「親知らずを抜いた場所に違和感が残る?治るまでの過程とは?」というテーマでお話ししていきます。

親知らずを抜いたあとの数日から数週間、患者さまから「なんとなく違和感が続いていて…」というご相談をいただくことがあります。
痛みはないけれど、スッキリしない感じ。もしかして何か問題があるのでは?と心配になる方も多いようです。

でも、実はこの“違和感”は、ある程度は自然なもの。

今回は、親知らずを抜いたあとのお口の中が、どのように治っていくのかを、時期ごとに分かりやすくご説明していきますね。


■ 抜歯直後(当日〜2、3日後)

この時期は、まだ抜歯した部分に「血のかたまり(血餅)」ができたばかりで、傷がむき出しの状態に近いタイミングです。
違和感というよりも「痛み」や「腫れ」が強く出ることもあります。無理せず安静に過ごし、処方されたお薬をきちんと飲むことが大切です。


■ 抜歯から1週間前後

痛みや腫れが徐々に引いてくる時期です。
この頃になると、「痛くはないけれど、穴が空いた感じが気になる」「何か詰まっているような気がする」といった違和感を感じることがあります。
この違和感の正体は、まさに“抜いた穴”そのものです。傷口は少しずつふさがっていきますが、完全に平らになるまでは時間がかかります。


■ 2〜3週間後

抜歯した部分の歯ぐきがある程度盛り上がってきて、見た目にもだいぶ落ち着いてきます。
ただし、奥歯(特に下の親知らず)を抜いた場合は、まだしばらくの間「違和感」や「ひきつれ感」が残ることもあります。
食事中やうがいをするときに、なんとなく“そこだけ違う”感覚があるのは、この時期ではごく普通のことです。


■ 1か月〜数か月後

個人差はありますが、下顎の骨がしっかり治って、歯ぐきの形も整ってくるのがこの頃です。
ただし、抜いた場所が深かった場合や、骨の再生に時間がかかるケースでは、完全に違和感が消えるまでに数か月かかることも。


■ 注意したい「ドライソケット」って?

抜歯後にごくまれに起こるトラブルのひとつに「ドライソケット」と呼ばれる状態があります。
これは、本来できるはずの“血餅(けっぺい)”がうまく形成されなかったり、途中で取れてしまった場合に、傷口がむき出しのままになってしまうことを指します。

ドライソケットになると、ズキズキとした強い痛みが出ることがあり、通常の治癒よりも治るまでに時間がかかります。冷たい風が当たるだけでも痛むような、鋭い痛みが続くのが特徴です。

予防するには、抜歯当日は強くうがいをしない・ストローを使わない・喫煙を控える、などがポイントです。
また、血餅を無理に触ったり、何かを詰めようとすると取れてしまうことがあるので注意しましょう。

違和感が長引くときには、このドライソケットが隠れていることもあります。疑わしい症状がある場合は、我慢せずにすぐに歯科を受診してくださいね。


■ どんなときに受診した方がいい?

「ズキズキと強く痛む」「膿のような味がする」「口が開けにくくなってきた」などの症状が出た場合は、炎症や感染が起きている可能性も。
このようなときは、我慢せずにすぐ歯科を受診してくださいね。

また、「なかなか違和感が消えないけれど、これって普通?」というご相談も大歓迎です。
お口の中はご自身では見えにくいため、ちょっとした変化がとても気になるもの。だからこそ、気になるときは無理に我慢せず、気軽にご相談いただければと思います。

次回は、「親知らずの抜歯後、しびれが出ることがあるの?」というテーマでお届け予定です。どうぞお楽しみに!


監修:デンタルフラッグ・ステージ二日町 院長 前澤訓(マエザワサトシ)

宮城県仙台市出身

日本歯科大学生命歯学部(東京) 口腔外科第二講座大学院卒業

2010年 デンタルフラッグ・ステージ二日町開業 院長

宮城県歯科医師会代議委員

宮城県歯科医師連盟評議委員

宮城県日本歯科大学校友会理事

社会福祉法人未来福祉会理事

仙台市立広瀬中学校校医

ミッキーこども園園医(北仙台園、八乙女園、泉中央園、八乙女中央園、榴ヶ岡公園前園)

ぶんぶん保育園園医(二日町園、小田原園)

少林寺拳法中拳士三段

(2025年4月現在)