こんにちは!仙台市の歯科クリニック『デンタルフラッグ・ステージ二日町』の院長 前澤訓(マエザワサトシ)です。
今回は「親知らずを4本一度に抜くことはできるのか?」というテーマでお話ししていきたいと思います。
「親知らず、4本とも気になっているけど、何回も通院するのは大変……」 「どうせなら、一気に済ませたい!」 そんなご相談をいただくことがあります。
実際に、親知らずを4本一度に抜くことは可能なのでしょうか?
どんなリスクがあるのか、どんな人に向いているのか、抜歯後の生活はどうなるのかなど、詳しくご紹介していきます。
親知らず4本同時抜歯は「可能」だが条件あり
結論からお伝えすると、親知らず4本を一度に抜くことは可能です。ただし、すべての人にとって安全でベストな選択とは限りません。
まず、親知らずの生え方や位置によって、抜歯の難易度が変わります。
- 真っ直ぐ生えていて抜きやすいか?
- 埋まっていて歯ぐきや骨の切開が必要か?
- 神経や血管の近くにあるか?
また、上下の親知らずの状態にも差があります。
たとえば、上の歯は比較的抜きやすいことが多いのですが、下の歯は神経や顎の構造との関係で慎重な対応が必要なケースが多いです。
さらに、全身の健康状態や体力、回復力なども考慮されます。
どんな人におすすめ?
4本同時抜歯が選ばれるのは、以下のようなケースです:
- 留学や転勤、結婚などでスケジュールに制限がある方
- 入院施設や大学病院など、全身麻酔で一気に処置したい方
特に、全身麻酔が可能な病院で最低一泊を前提としたケースでは、4本同時に抜く選択肢が現実的になります。
ただし、当院のように外来で局所麻酔にて対応する場合には、基本的に1本ずつの抜歯となります。
4本一気に抜くメリットとデメリット
メリット:
- 通院回数を減らせる
- 抜歯後の回復期間を一度に済ませられる
- 何度も麻酔をする必要がない
デメリット:
- 術後の腫れや痛みが強く出ることがある
- 食事や会話が数日間かなり制限される
- 両側が一度に腫れると口が開けづらくなることも
- 出血や感染のリスクが高まる
特に、術後のセルフケアや食事の工夫が重要になります。おかゆやゼリーなど、やわらかいものを数日分用意しておくと安心です。
実際の流れは?
4本同時抜歯を行う場合、以下のような流れが一般的です:
- 事前診察とレントゲン撮影(必要に応じてCTなど)
- 医師による抜歯難易度の判定と説明
- 同意書の記入と術後の注意点の説明
- 処置当日:一度に4本抜歯
- 帰宅後は安静に、薬の服用、冷やす処置など
- 翌日または数日後に経過観察のため再診
*手術状況により術後のケアが変わります
無理せず、相談を!
「4本一気に抜きたい!」と思っていても、お口の状態によっては、2回または3回に分けたほうが安全でスムーズなケースもあります。
当院では、患者さんのお話をしっかりうかがいながら、負担の少ない方法をご提案しています。
抜歯の計画を立てるときは、
- 学校やお仕事のお休みの予定
- 体調やアレルギーの有無
- 処方薬や持病の有無 なども考慮したうえで、丁寧に進めていきますのでご安心ください。
「4本全部抜いたほうがいいのか?」「急がず1本ずつでもよいのか?」 その答えは、お口の状態と生活背景によって変わります。
ぜひ、お気軽にご相談ください。
監修:デンタルフラッグ・ステージ二日町 院長 前澤訓(マエザワサトシ)
宮城県仙台市出身
日本歯科大学生命歯学部(東京) 口腔外科第二講座大学院卒業
2010年 デンタルフラッグ・ステージ二日町開業 院長
宮城県歯科医師会代議委員
宮城県歯科医師連盟評議委員監修
宮城県日本歯科大学校友会理事
社会福祉法人未来福祉会理事
仙台市立広瀬中学校校医
ミッキーこども園園医(北仙台園、八乙女園、泉中央園、八乙女中央園、榴ヶ岡公園前園)
ぶんぶん保育園園医(二日町園、小田原園)
少林寺拳法中拳士三段
(2025年4月現在)