こんにちは!仙台市の歯科クリニック「デンタルフラッグ・ステージ二日町」の院長、前澤訓(マエザワサトシ)です。
今回は、日常生活で何気なくやってしまう癖――「頬杖」や「うつ伏せ寝」などが、親知らずやお口の健康にどんな影響を与えるのか?というテーマでお話ししていきます。
「親知らず」と「寝方」や「姿勢」なんて関係あるの?と思われるかもしれませんが、実はこうした習慣が、思わぬトラブルの原因になっていることもあるんです。
頬杖やうつ伏せ寝がもたらす力の偏り
私たちの顎や歯はとても繊細なバランスの上に成り立っています。
例えば、頬杖をつくと、片方の顎にだけ常に圧がかかる状態が続きます。この力が毎日何時間も、何年も続くと、
- 顎の関節の位置がずれる
- 噛み合わせが変化する
- 歯列全体に微妙なゆがみが生じる
といった変化が起こってくることがあります。
うつ伏せ寝も同様です。枕に顔を押しつけるような形で寝ると、片側の顎や歯に圧が加わり続けることになります。
このような日々の小さな「力の偏り」が積み重なることで、親知らずの生え方や噛み合わせに影響を与える場合があるのです。
親知らずの生え方と「生活習慣のクセ」
親知らずは元々、生えるスペースが少ない場所に無理に生えてくるため、真っ直ぐに出てこないことも多い歯です。
もし、姿勢や生活習慣によって顎の位置や噛み合わせが左右で偏っていたら……
- 片側だけ親知らずが斜めに生えてくる
- 一方だけ腫れやすい、違和感が強い
- 上下でうまく噛み合わない
といった状態になる可能性があります。
つまり、生え方の“個性”だけでなく、その人の生活スタイルや身体の使い方が、親知らずに影響していることもあるのです。
顎のズレと親知らずトラブル
顎が左右どちらかにずれてしまうと、咬み合わせもバランスが崩れます。咬み合わせがずれると、奥歯――特に親知らずに余分な力がかかるようになります。
たとえば:
- 頬杖をつく癖が右側だけの場合 → 右下の親知らずに圧が集中しやすくなる
- うつ伏せで左側を下にして寝る → 左上の親知らずが慢性的に刺激されやすい
結果として、親知らずの周囲が腫れたり、痛んだりすることもあるのです。
また、噛み合わせのずれは、歯のすり減りや顎関節症、さらには頭痛・肩こりなどの全身症状にもつながることがあります。
こんな方は要注意
以下のような方は、日々の癖が親知らずや噛み合わせに影響を与えているかもしれません:
- 食事中に片側ばかりで噛むクセがある
- テレビやスマホを見るとき、無意識に頬杖をついている
- 朝起きると、顎や顔がだるい・痛いと感じる
- うつ伏せや横向きで寝ることが多い
これらの習慣があると、親知らずのトラブルだけでなく、顎関節症や歯列のゆがみにもつながりかねません。
生活習慣を見直して、親知らずトラブルを予防
日常の癖を完全にやめるのは難しいかもしれませんが、まずは「気づく」ことから始めてみましょう。
- 頬杖を意識的にやめてみる
- 就寝時の寝姿勢を仰向けにしてみる
- 顎のストレッチやマッサージを取り入れる
- 定期的に歯科で噛み合わせをチェックする
こうした積み重ねが、将来的な親知らずの痛みや抜歯のリスクを減らすことにつながっていきます。
まとめ
「たかが頬杖」「寝方なんて関係ない」と思われがちですが、これらの習慣が積み重なることで、親知らずの生え方やトラブルのリスクに影響を与えてしまうことがあります。
親知らずに違和感がある、腫れや痛みが出やすいという方は、ぜひ日々の生活習慣にも目を向けてみてください。
気になる症状がある場合は、ご相談くださいね!
監修:デンタルフラッグ・ステージ二日町 院長 前澤訓(マエザワサトシ)
宮城県仙台市出身
日本歯科大学生命歯学部(東京) 口腔外科第二講座大学院卒業
2010年 デンタルフラッグ・ステージ二日町開業 院長
宮城県歯科医師会代議委員
宮城県歯科医師連盟評議委員
宮城県日本歯科大学校友会理事
社会福祉法人未来福祉会理事
仙台市立広瀬中学校校医
ミッキーこども園園医(北仙台園、八乙女園、泉中央園、八乙女中央園、榴ヶ岡公園前園)
ぶんぶん保育園園医(二日町園、小田原園)
少林寺拳法中拳士三段
(2025年4月現在)