スケーリング・ルートプレーニングって何?痛みはある?

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こんにちは。仙台市青葉区の歯科クリニック『デンタルフラッグ・ステージ二日町』院長 前澤訓(マエザワサトシ)です。
歯科医院で「スケーリング」「ルートプレーニング」という言葉を聞いたことはありますか?
どちらも歯周病の予防や治療に欠かせない大切な処置ですが、名前だけ聞くと「なんだか怖そう…」「痛そう…」と不安になる方も多いと思います。
今回は、スケーリング・ルートプレーニングの内容や目的、痛みの有無、治療を受けるときのポイントなどを、できるだけわかりやすく解説していきますね!


スケーリングとは?

スケーリングは、歯や歯ぐきの周りについた歯石やプラーク(歯垢)を専用の器具で取り除く処置のことです。

  • プラーク(歯垢):食べかすと細菌が集まってできるやわらかい膜
  • 歯石:プラークが唾液中のミネラルと結びついて硬くなったもの

歯石は歯ブラシでは取れません。そのまま放置すると、細菌のすみかになって歯ぐきが炎症を起こし、歯周病が進行します。
スケーリングは、その歯石やプラークをきれいに取り除くことで、歯ぐきの炎症を改善し、歯周病の進行を防ぐ役割があります。


ルートプレーニングとは?

ルートプレーニング(Root Planing)は、スケーリングよりも一歩進んだ処置です。
歯ぐきの奥、歯の根(ルート)にこびりついた歯石や汚れを取り除き、さらに表面をツルツルに仕上げる処置を指します。

  • なぜツルツルにするの?
     根面がざらついたままだと、再び歯石やプラークが付着しやすくなります。
     滑らかに整えることで細菌がつきにくくなり、歯ぐきが回復しやすくなるのです。

歯周病が中等度~重度になると、歯ぐきの下(歯周ポケット)に歯石が入り込むため、ルートプレーニングが必要になることがあります。


どんなときに必要?

  • 定期検診で歯石が見つかったとき

  • 歯ぐきが腫れている、出血があるとき

  • 歯周ポケットが深く、歯ぐきの奥に歯石がついているとき

初期~軽度の歯周病ならスケーリングだけで十分な場合もありますが、中等度以上の歯周病ではルートプレーニングまで必要になることがあります。
歯科医師や歯科衛生士が歯ぐきの状態を診て、どこまで処置するか判断します。


 使用する器具

  • 超音波スケーラー
     歯石を細かく振動させて取り除く機械。水を出しながら作業するので歯面の熱を防ぎ、効率的に歯石を除去できます。

  • 手用スケーラー(キュレット)
     細かい部分や歯ぐきの下など、超音波で届かないところを丁寧に仕上げるために使用します。

器具を組み合わせて、患者さんの口の状態に合わせた処置を行います。


痛みはある?

(1)スケーリングの痛み

  • 歯石が少なく、歯ぐきの炎症が軽い場合は、ほとんど痛みを感じないことが多いです。

  • 歯ぐきが腫れていたり歯石が多い場合は、処置中にチクチクしたりしみるような感覚があることもあります。

(2)ルートプレーニングの痛み

  • 歯ぐきの奥まで処置するため、スケーリングよりも敏感に感じる方が多いです。

  • 必要に応じて麻酔をしてから行うこともあるので、強い痛みを心配する必要はありません。

(3)処置後の違和感

  • しばらく歯がしみる、歯ぐきが少し腫れることがありますが、多くの場合は数日で落ち着きます。

  • 処置後のケア(歯磨きやうがい)をきちんと行うことで、回復が早まります。


スケーリング・ルートプレーニングのメリット

  • 歯周病の進行を食い止める

  • 歯ぐきの腫れや出血が改善し、口の中がさっぱりする

  • 口臭の予防につながる

  • 将来、歯を失うリスクを減らせる

歯周病は「静かに進行する病気」と言われ、気づいたときにはかなり進んでいることも珍しくありません。
定期的なスケーリングと、必要に応じたルートプレーニングが長期的な歯の健康を守る鍵になります。


受ける前に知っておきたいこと

  • 一度で終わらないことがある
     お口全体に歯石が多い場合は、何回かに分けて処置することがあります。

  • 処置後のセルフケアが大切
     再び歯石がつかないよう、毎日の歯磨きや歯間ケアを丁寧に行うことが必要です。

  • 定期健診の重要性
     歯石は再びつくため、3〜6か月に一度の定期健診でのクリーニングが推奨されます。


家でできるケアのポイント

  • 歯ブラシはやわらかめ~ふつうの毛先を使い、やさしく磨く

  • 歯間ブラシやデンタルフロスを習慣にする

  • 洗口液(マウスウォッシュ)で仕上げると細菌が増えにくい環境をつくれる

  • 唾液を増やすためによく噛む・水分をしっかり取る

こうしたセルフケアを継続することで、処置後の良い状態が長持ちします。


まとめ

  • スケーリングは歯や歯ぐきの周りの歯石を取る処置。

  • ルートプレーニングは歯ぐきの奥、根面の汚れを取ってツルツルに整える処置。

  • 痛みは個人差があるが、必要に応じて麻酔を使うので強い痛みを心配する必要はない。

  • 処置後はセルフケアと定期健診で良い状態を保つことが大切。

スケーリングやルートプレーニングは、歯を守るための基本かつ大切なステップです。
定期的に受けることでお口の健康がぐっと長持ちし、歯周病や将来の歯の喪失を防ぐことにつながります。
もし不安や疑問があれば、ぜひ歯科医院で相談してみてくださいね。


監修:デンタルフラッグ・ステージ二日町 院長 前澤訓(マエザワサトシ)

宮城県仙台市出身
日本歯科大学生命歯学部(東京) 口腔外科第二講座大学院卒業
2010年 デンタルフラッグ・ステージ二日町開業 院長

宮城県歯科医師会代議委員
宮城県歯科医師連盟評議委員
宮城県日本歯科大学校友会理事
社会福祉法人未来福祉会理事

仙台市立広瀬中学校校医
ミッキーこども園園医(北仙台園、八乙女園、泉中央園、八乙女中央園、榴ヶ岡公園前園)
ぶんぶん保育園園医(二日町園、小田原園)

少林寺拳法中拳士三段
(2025年10月現在)