こんにちは!仙台の歯科クリニック『デンタルフラッグ・ステージ二日町』の院長 前澤訓(マエザワサトシ)です。
今回は、「フロスと糸ようじってどう違うの?被せものに影響はあるの?」というテーマでお話ししていきます。
どちらも歯のケアに使われる道具ですが、「どちらを使えばいいの?」「使っていて被せものが外れた…」といったご質問を受けることがあります。
実は、フロスと糸ようじは似て非なるもの。それぞれの特徴を知り、正しく使うことが大切です。
フロスと糸ようじの違いって?
まずは、それぞれの違いから見ていきましょう。
フロス(デンタルフロス)とは?
フロスは、糸だけの状態で指に巻き付けて使うタイプです。慣れるまでは少しコツが必要ですが、細かい操作ができるため、歯と歯の間にやさしくフィットして掃除ができるのが特徴です。
糸ようじ(ホルダー付きフロス)とは?
一方、糸ようじは、プラスチックのホルダーにフロスが張ってあるタイプ。持ちやすく、初めての方でも手軽に使いやすいのが魅力です。
ですが、形状的にフロスの動きが制限されるため、力が一点に集中しやすいという欠点もあります。
糸ようじが被せものを外してしまうことがある?
はい、実際に「糸ようじを使っていたら、詰め物が外れてしまった!」という方もいらっしゃいます。
これは、糸ようじの形状が関係しています。
ホルダー型の糸ようじは、フロスの糸を“真っすぐ上下に動かす”ことが多く、詰め物や被せもののフチに力がかかりやすいのです。その結果、被せものが外れてしまうきっかけになってしまうことがあります。
特に、経年劣化で接着力が弱っていたり、被せものが少し浮いていた場合などに、その傾向が強くなります。
フロスはおすすめ!理由は「しなやかさ」
当院では、基本的には糸ようじよりも「フロス(糸だけのタイプ)」をおすすめしています。
その理由は、フロスの方が自由度が高く、力のかかり方をコントロールしやすいからです。
具体的には:
- 指に巻きつけて、歯のカーブに沿って優しく清掃できる
- 被せものの境目もやさしくなぞるように使える
- 外すときも、斜めにスライドすることで詰め物を引っ張らない
正しく使えば、被せものを守りながらしっかりお掃除できるのがフロスのメリットです。
フロスの正しい使い方のポイント
- フロスは40cmほどの長さを取り、指に巻きつけて使います。
- 歯と歯の間にゆっくり入れ、歯の側面に沿って上下に動かします。
- 取り出すときは、横からスライドさせるように抜くのがコツです。
慣れるまで時間がかかるかもしれませんが、コツをつかめば簡単に使えるようになりますよ。
糸ようじは絶対ダメ?
いいえ、糸ようじが悪いわけではありません。特にお子さまや高齢者など、細かい手の動きが難しい方には、糸ようじが便利なこともあります。
ただし、被せものが多い方・ブリッジやインレーが入っている方は注意が必要です。
「パチン」と音がしたり、いつもと違う引っかかりを感じた場合は、無理に使わず歯科でチェックしてもらいましょう。
被せものが外れてしまったら?
万が一、フロスや糸ようじで被せものが外れてしまったら、
- 外れたものは清潔に保管(捨てない)
- 無理に戻そうとせず、そのまま受診
- できるだけ早めにご来院ください
早く処置をすれば、再装着できるケースもあります。
まとめ:選ぶならフロス。大切なのは“自分に合った使い方”
「糸ようじとフロス、どっちがいいの?」と迷ったら、まずは歯の状態や手の使いやすさで選んでみましょう。
被せものがある方には、しなやかに使える「糸タイプのフロス」がおすすめです。
分からないことがあれば、ぜひお気軽にご相談くださいね。
お口の健康を守るために、適切なケア方法をご一緒に見つけていきましょう!
監修:デンタルフラッグ・ステージ二日町 院長 前澤訓(マエザワサトシ)
宮城県仙台市出身
日本歯科大学生命歯学部(東京) 口腔外科第二講座大学院卒業
2010年 デンタルフラッグ・ステージ二日町開業 院長
宮城県歯科医師会代議委員
宮城県歯科医師連盟評議委員
宮城県日本歯科大学校友会理事
社会福祉法人未来福祉会理事
仙台市立広瀬中学校校医
ミッキーこども園園医(北仙台園、八乙女園、泉中央園、八乙女中央園、榴ヶ岡公園前園)
ぶんぶん保育園園医(二日町園、小田原園)
少林寺拳法中拳士三段
(2025年4月現在)