こんにちは。仙台市青葉区二日町の歯科クリニック『デンタルフラッグ・ステージ二日町』院長 前澤訓(マエザワサトシ)です。
今年も残りわずかとなりましたね。冬休みや年末年始は、ご家族や友人と食卓を囲む機会が増える季節。
美味しいものが並ぶと、ついつい食べ過ぎてしまったり、夜更かしのリズムになってしまったり…。
でも、そんな楽しい時期だからこそ「お口の健康」にも少し気を配ってみませんか?
今日は、“冬の食生活と歯ぐき・歯の健康”について、気を付けたいポイントやおすすめの食べ方をご紹介します。
年末年始は「むし歯」や「歯周炎」のリスクがアップ?
お正月料理や冬のごちそうには、砂糖や塩分、油分が多いものも少なくありません。
たとえば、
・お餅やおせちの甘い煮物
・年越しそばのつゆ
・お酒のおつまみや塩辛い干物
・夜遅くのデザートタイム
などは、どれもつい手が伸びてしまう定番メニューです。
でも実は、これらの食習慣が続くと 歯周病やむし歯の原因菌 が活発になりやすくなります。
とくにお餅などの粘着性のある食べ物は、歯にくっついて長時間プラーク(歯垢)が残りやすく、口の中の環境を悪化させてしまいます。
さらに冬は、暖房による乾燥で「口の中が乾きやすい」季節でもあります。
唾液が減ると、口の中の自浄作用が弱まり、歯周病菌が増えやすい状態に…。
つまり、冬は“歯周病が進みやすい季節”でもあるのです。
「お餅」や「おせち料理」は食べ方次第でOK!
せっかくの年末年始、美味しいものを我慢するのはつらいですよね。
そこでおすすめなのが、「食べ方の工夫」 です。
たとえば、
- お餅を食べるときは、一口大に小さく切って、だらだら食べない。
- 甘いおせち(黒豆・栗きんとんなど)は、食後すぐにお茶やお湯で口をすすぐ。
- 濃い味の料理を続けず、汁物や野菜を間にはさむ。
- 食後は30分ほどしてから、歯みがきを丁寧に。
こうした小さな習慣の積み重ねで、口の中の環境はずいぶん変わります。
「何を食べるか」よりも「どう食べるか」を意識してみましょう。
歯ぐきにやさしい“冬の栄養”を意識しよう
冬の味覚の中には、歯ぐきの健康をサポートしてくれる栄養がたくさんあります。
代表的なものをいくつかご紹介します。
■ ビタミンC(歯ぐきの強化に)
・みかん、ブロッコリー、キャベツ、いちご など
ビタミンCは、コラーゲン生成を助け、歯ぐきを引き締める働きがあります。
寒い時期にはみかんをおやつ代わりに食べるのもおすすめです。
■ カルシウム(歯や骨の健康維持に)
・牛乳、チーズ、小魚、豆腐、白ごま など
カルシウムは、歯の再石灰化を助け、歯を丈夫にします。
お鍋の具材に豆腐や魚を入れれば、温まりながら栄養も取れますね。
■ ビタミンD(カルシウムの吸収を助ける)
・鮭、しらす、卵黄 など
日照時間の少ない冬は、ビタミンD不足になりやすいので、意識的に取り入れましょう。
■ 食物繊維(噛む回数を増やして唾液アップ)
・ごぼう、れんこん、りんご など
しっかり噛むことで唾液の分泌が促され、口の中の菌の繁殖を防ぎます。
お酒・甘い飲み物にもご注意を
年末年始はお酒を飲む機会も増えますが、アルコールは口の中を乾燥させやすく、唾液量が減ることで歯周病リスクを高めます。
また、チューハイやカクテルなどの甘いお酒は糖分も多く、むし歯菌の栄養源になります。
お酒を飲むときは、
- 水を交互に飲む
- 飲み終えたあとにうがいをする
- 夜寝る前の歯みがきを忘れない
この3つを意識するだけでも、お口の健康を守ることができます。
年末年始は“歯みがきのペース”を崩さないことが大切
冬休みや帰省などで生活リズムが変わると、つい歯みがきを忘れてしまうことがあります。
でも、「1日1回でもていねいに磨く」 ことを意識するだけでも違います。
夜、寝る前の歯みがきはとくに大事。寝ている間は唾液の量が減り、菌が増えやすくなるからです。
旅行中など歯ブラシが使えないときは、携帯用のマウスウォッシュや指で軽く歯ぐきをマッサージするだけでもOKです。
大切なのは、「口の中を放置しないこと」。
新年に向けて“お口のリセット”を
年の初めに、歯のクリーニングや定期検診を受けるのもおすすめです。
「食べすぎ・飲みすぎ・磨き忘れ」など、年末にたまった汚れをきれいにリセットすると、気分もスッキリします。
お口の健康は、全身の健康にもつながります。
免疫力が下がりやすい冬だからこそ、歯ぐきの炎症を防ぎ、元気に過ごしたいですね。
まとめ
冬の食卓は、楽しみがいっぱい。でも、楽しさの裏に“お口のリスク”も潜んでいます。
- 粘着性・糖分の多い食べ物の後は早めのうがいを。
- 乾燥対策と水分補給を忘れずに。
- ビタミン・カルシウムなど栄養バランスを意識。
- 年明けにはプロのクリーニングでお口をリフレッシュ。
そんな意識を少し持つだけで、歯ぐきはずっと健康に保てます。
皆さんも、ぜひ家族で「食べ方とお口の健康」について話してみてくださいね!
デンタルフラッグ・ステージ二日町 院長 前澤訓(マエザワサトシ)

宮城県仙台市出身
日本歯科大学生命歯学部(東京) 口腔外科第二講座大学院卒業
2010年 デンタルフラッグ・ステージ二日町開業 院長
宮城県歯科医師会代議委員
宮城県歯科医師連盟評議委員
宮城県日本歯科大学校友会理事
社会福祉法人未来福祉会理事
仙台市立広瀬中学校校医
ミッキーこども園園医(北仙台園、八乙女園、泉中央園、八乙女中央園、榴ヶ岡公園前園)
ぶんぶん保育園園医(二日町園、小田原園)
少林寺拳法中拳士三段
(2025年11月現在)



