妊娠中や授乳中の親知らずのトラブル!

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妊娠中や授乳中の親知らずのトラブルと対応法

こんにちは!仙台の歯科クリニック『デンタルフラッグ・ステージ二日町』の院長 前澤訓(マエザワサトシ)です。

妊娠や出産という大切な時期に、親知らずの痛みや腫れが起こると、とても不安になりますよね。

「赤ちゃんに影響はないの?」「薬は飲めるの?」「治療はできるの?」といった疑問を多くいただきます。 できるだけ安心して過ごしていただくためにも、妊娠・授乳中に親知らずのトラブルが起こった際の対応について、分かりやすくご紹介していきますね。


妊娠中に親知らずが痛くなる理由とは?

妊娠中はホルモンバランスの変化により、お口の中にもさまざまな影響が出ます。特に「エストロゲン」や「プロゲステロン」といった女性ホルモンが増えることで、歯ぐきが腫れやすくなり、親知らず周囲にも炎症が起きやすくなります。

さらに、つわりがあると歯磨きがしづらくなったり、食事の頻度が増えて口の中が不衛生になりがちです。そうしたことが重なると、親知らずの周囲に汚れがたまりやすくなり、炎症を引き起こすことがあるのです。

妊娠中に親知らずが痛くなったときの対応 妊娠中の親知らずの痛みに対しては、まずは**「今すぐ抜歯するかどうか」**を慎重に判断する必要があります。

多くの場合、妊娠初期(〜16週頃)と後期(28週以降)は、できるだけ外科処置を避けるのが基本です。

中期(安定期)であれば、症状や全身の状態に応じて、必要最小限の処置を行うことがあります。ただし、「無理に抜歯をするよりも、今は応急処置やお薬で痛みを抑えて、出産後に本格的な治療をする」というケースも少なくありません。

また、使えるお薬も限られます。例えばアセトアミノフェン(カロナールなど)は妊娠中でも比較的安全とされており、痛み止めや解熱剤としてよく使われます。

抗生物質も、状況に応じて影響の少ないものを選びます。 「薬を飲むのが怖い…」と感じる方もいらっしゃいますが、我慢しすぎて痛みや炎症が強くなると、それがストレスになったり、体調を崩す原因になることもあります。ご不安な点があれば、遠慮なくご相談ください。


授乳中は抜歯してもいいの?

授乳中は、妊娠中よりも治療の選択肢が広がります。麻酔やお薬も使える範囲が広いため、授乳直後に麻酔を使って治療を行い、その後数時間授乳を避けることで、赤ちゃんへの影響を最小限にしながら対応することができます。また、授乳中の方も「歯を抜くタイミングが分からない」とご相談に来られることが多いです。

親知らずの状態にもよりますが、日常生活に支障があるような症状(繰り返す腫れや痛み、虫歯など)がある場合は、タイミングを見て治療に踏み切る方が、かえって安心して育児に集中できることもあります。

親知らずの処置は無理に急がず、今できることを大切に 妊娠・授乳期の親知らずのトラブルに対して、当院では**「今必要な処置」と「後回しにできる処置」を丁寧に見極めること**を心がけています。

たとえば、痛みや腫れが強いときは、炎症を抑えることを最優先にします。必要であれば応急処置やお薬の調整などを行い、少し落ち着いた時期に改めて抜歯を検討するという流れです。

これまでの経験や的確な診断をもとに、患者さんにとって負担の少ない方法を一緒に考えていきます。無理なく、安全に、そして何より「安心して受診できる環境」を大切にしています。


まとめ

ご自身と赤ちゃんの安心のために 妊娠中や授乳中に親知らずが痛くなると、誰しも心配になりますよね。

ですが、ご自身と赤ちゃんの健康のために、我慢せず、まずは歯科で相談してみることをおすすめします。 「出産まであと少しだから…」と我慢してしまう方もいらっしゃいますが、無理をして体調を崩してしまっては本末転倒です。

少しでも不安があれば、お気軽にご相談くださいね。


デンタルフラッグ・ステージ二日町 院長 前澤訓(マエザワサトシ)

宮城県仙台市出身 日本歯科大学生命歯学部(東京)

口腔外科第二講座大学院卒業

2010年 デンタルフラッグ・ステージ二日町開業 院長

宮城県歯科医師会代議委員

宮城県歯科医師連盟評議委員

宮城県日本歯科大学校友会理事

社会福祉法人未来福祉会理事

仙台市立広瀬中学校校医

ミッキーこども園園医(北仙台園、八乙女園、泉中央園、八乙女中央園、榴ヶ岡公園前園)

ぶんぶん保育園園医(二日町園、小田原園)

少林寺拳法中拳士三段 (2025年4月現在)