定期的な歯科検診が歯周病予防に重要な理由

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こんにちは!仙台市青葉区の歯科クリニック『デンタルフラッグ・ステージ二日町』院長 前澤訓(マエザワサトシ)です。

みなさんは最後に歯科医院を受診したのはいつですか?
「歯が痛くなったときだけ通っている」という方も少なくないかもしれません。

でも実は、“歯に痛みがないから大丈夫”という考え方が、歯周病を見逃してしまう大きな落とし穴なんです。
今回は、なぜ定期的な歯科検診が歯周病予防にとって重要なのか?
その理由をわかりやすく解説していきます。


歯周病は“沈黙の病気”と言われる理由

歯周病は、歯を支えている骨(歯槽骨)が少しずつ壊されていく病気です。
でもこの病気、初期の段階ではほとんど自覚症状がありません。

「歯ぐきが腫れてるな」「ちょっと血が出るかな?」と感じる頃には、
すでに歯周病がかなり進行しているケースも珍しくないのです。

つまり、自分では気づきにくく、知らない間に進んでしまうのが歯周病の怖さ
だからこそ、「まだ痛くないから行かなくていい」ではなく、定期的にチェックしてもらうことがとても大切なんです。


歯周病の進行段階と、気づきにくさ

歯周病には、大きくわけて以下のような段階があります。

  • 歯肉炎:歯ぐきだけに炎症がある状態。出血しやすいが、痛みはない。
  • 軽度歯周炎:歯と歯ぐきの間に“歯周ポケット”ができ、プラークや歯石がたまる。
  • 中等度歯周炎:歯を支える骨(歯槽骨)が溶けはじめ、歯がグラつくことも。
  • 重度歯周炎:歯槽骨の破壊が進み、歯が大きく動いたり、抜けることもある。

ほとんどの方が、「グラグラしてきた」「痛くなった」と感じて歯科を受診する頃には、
中等度~重度の歯周病になっていることが多いのです。

定期検診なら、この“初期の段階”で異変を見つけることが可能です。


歯科検診ではこんなことをチェックします

では、実際の歯科検診ではどんなことを行っているのでしょうか?
内容を具体的にご紹介しますね。


● 歯周ポケットの深さの測定

専用の細い器具を使って、歯と歯ぐきの間(歯周ポケット)の深さを測ります。
正常な深さは1〜2mmほど。3mmを超えると歯周病の可能性が出てきます。

この測定で、どの歯に炎症があるか・どのくらい進行しているかが明らかになります。


● 出血や歯ぐきの状態のチェック

歯周ポケットを測定するときに、軽く触れただけで出血するかどうかも重要なサインです。
出血は、歯ぐきに炎症がある証拠。
見た目には問題がなくても、歯ぐきの中で炎症が進行しているケースもあります。


● プラークや歯石の付着の確認

みがき残しの状態や、歯石のつきやすさもチェックします。
特に歯石は自分で取り除くことができないため、定期的に専門の器具で除去する必要があります。


● 噛み合わせや歯の動揺も確認

歯のグラつきや噛み合わせの変化も、歯周病の進行によって起こる変化です。
これらを定期的に記録することで、ご自身では気づきにくい小さな変化を早期に発見できます。


定期検診の最大のメリットは“予防”です

歯科検診の最大のメリットは、何といっても**「病気を防げること」**です。

たとえば、こんな流れになります。

  • 検診で初期の歯肉炎を発見
  • 歯石を除去し、正しいみがき方を指導
  • 自宅でも意識してケア
  • 次の検診では炎症が改善

このように、“気づいたときには手遅れ”にならないように先手を打てるのが、定期検診の魅力です。


定期検診に通っている人ほど、歯を長く保てる

実際に、ある統計では次のようなデータが出ています。

  • 定期検診を受けている人の80歳時の残存歯数:平均約15本
  • 受けていない人の残存歯数:平均約6本

この差は非常に大きいですよね。

定期的に検診を受けている方ほど、自分の歯を長く健康に保てているということが、数字でもはっきりと表れています。


検診はどのくらいのペースで通えばいい?

一般的には、3ヶ月~6ヶ月に1回のペースで定期検診を受けることが推奨されています。
ただし、歯周病が進行している方や、リスクが高い方は、1〜2ヶ月ごとのフォローが必要なことも。

患者さん一人ひとりのお口の状態によって、適切な間隔は異なりますので、
検診時にご相談いただければ、最適なスケジュールをご提案いたします。


歯周病だけじゃない!検診でわかる他の病気

実は、歯科検診では歯周病以外にも様々な病気の早期発見につながります。

  • 虫歯(初期なら削らずに経過観察できることも)
  • 歯ぎしりや食いしばりによる歯の摩耗
  • 口内炎や粘膜の異常(口腔がんの早期発見にも)
  • 顎関節症の初期兆候 など

「歯だけ」のチェックにとどまらず、お口全体の健康を守るのが歯科検診の役割なんですね。


「痛みがない=健康」ではないということ

「歯が痛くなったときだけ歯医者に行く」
この習慣を続けていると、気づいたときには歯を失うリスクが高くなるのが歯周病の特徴です。

でも、“痛みがないうちに来院する”ことが当たり前になると、未来が大きく変わります。

  • 治療が小さく済む
  • 治療費も抑えられる
  • 歯を削る・抜く可能性が減る
  • 将来入れ歯やインプラントのリスクが下がる

こんなふうに、少しの習慣で、将来の自分を大きく守ることができるのです。


まとめ:検診は“安心を得る時間”でもあります

歯医者さんに行くのって、ちょっと緊張しますよね。
でも、検診を受けることで「今のお口の状態を知れる」「問題があればすぐに対処できる」といった**“安心”が手に入る時間でもある**のです。

「今、特に気になるところはないんだけど…」という方も、
ぜひ一度、検診にいらしてみてください。

あなたの健康な未来のために、当院でも全力でサポートさせていただきます!


監修:デンタルフラッグ・ステージ二日町 院長 前澤訓(マエザワサトシ)

宮城県仙台市出身
日本歯科大学生命歯学部(東京) 口腔外科第二講座大学院卒業
2010年 デンタルフラッグ・ステージ二日町開業 院長

宮城県歯科医師会代議委員
宮城県歯科医師連盟評議委員
宮城県日本歯科大学校友会理事
社会福祉法人未来福祉会理事

仙台市立広瀬中学校校医
ミッキーこども園園医(北仙台園、八乙女園、泉中央園、八乙女中央園、榴ヶ岡公園前園)
ぶんぶん保育園園医(二日町園、小田原園)

少林寺拳法中拳士三段
(2025年7月現在)