家族みんなでできるお口のケア習慣

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こんにちは。仙台市青葉区二日町の歯科クリニック『デンタルフラッグ・ステージ二日町』院長 前澤訓(マエザワサトシ)です。

1年の締めくくりに向けて、何かと忙しくなるこの時期。忘年会やクリスマス、お正月とイベント続きで、つい「食べすぎ・飲みすぎ・夜更かし」が増えてしまう…という方も多いのではないでしょうか。

でも実は、年末年始はお口のトラブルが増える季節でもあります。
「歯ぐきが腫れた」「歯が浮くような感じがする」「口臭が気になる」――そんな症状の多くは、歯周病が関係していることも。

今日は、そんな時期に家族みんなで取り組みたい「お口のケア習慣」について、やさしくお話ししていきます。


年末年始、歯周病が悪化しやすい理由

冬は空気が乾燥しやすく、暖房の中では「口の中の乾燥」も起こりやすい季節です。
唾液が減ると、口の中を洗い流す力が弱まり、歯周病菌が繁殖しやすくなります。

さらに、

  • 甘いおせち料理やお餅など粘着性のある食べ物
  • 夜遅くまでの食事やお酒
  • 生活リズムの乱れ
    これらの習慣が重なることで、歯周病のリスクは一気に上がります。

また、冬は体の免疫力も落ちやすい時期。普段なら炎症が起こらないような刺激にも、歯ぐきが敏感に反応してしまうことがあります。

「最近歯ぐきがむずがゆい」「歯ブラシで血が出る」――そんなサインを見逃さず、早めにケアすることが大切です。


家族みんなで“お口の健康チェック”をしよう

年末年始のタイミングは、家族がそろう貴重な機会。
せっかくなら、「お口の健康」についても話題にしてみましょう。

たとえば、家族でこんな“セルフチェック”をしてみてください。

  • 歯ぐきが赤く腫れていないか?
  • 歯ブラシのあとに血が出ないか?
  • 朝起きたとき、口の中がネバネバしないか?
  • 歯がグラグラしたり、噛むと違和感がないか?
  • 口臭が気になることはないか?

もし家族の中で「そういえば最近気になるかも」という人がいたら、ぜひ一度、歯科医院でチェックを受けましょう。
歯周病は痛みが出にくく、気づかないうちに進行する“沈黙の病気”。早めの確認が何より大切です。


家族で楽しむ「お口の健康時間」

お口のケアを“家族の習慣”にするには、「楽しく続けられる工夫」がポイントです。

■ 一緒に歯みがきタイム

小さなお子さんがいる家庭では、ぜひ「親子で歯みがきタイム」を。
大人が丁寧に磨いている姿を見ると、自然と子どもも興味を持ってくれます。
お子さんには仕上げみがきを、大人には“フロス”や“歯間ブラシ”をプラスして、お互いチェックし合うのもいいですね。

■ 家族みんなで「歯ブラシの交換日」

古い歯ブラシは、毛先が広がって汚れが落ちにくく、かえって歯ぐきを傷つけることもあります。
目安は1か月に1本。
「お正月に新しい歯ブラシをそろえる」という習慣をつけると、自然にケアのモチベーションも上がります。

■ 冬の夜は“お茶うがい”で口の中をリセット

緑茶やウーロン茶に含まれる「カテキン」には、抗菌作用があります。
食後にお茶でうがいをすれば、口の中をさっぱりと保ち、歯周病菌の繁殖を抑えてくれます。
飲みすぎ・食べすぎの後にもおすすめです。


食卓からできる歯周病予防

おせちや鍋料理など、冬は美味しい食材が豊富な季節。
実はその中にも、歯ぐきにやさしい食べ物がたくさんあります。

  • みかん・いちご(ビタミンCで歯ぐきを引き締め)
  • 豆腐・魚・チーズ(カルシウムで歯を強く)
  • ごぼう・れんこん(噛む回数を増やして唾液を促す)
  • 納豆・味噌(善玉菌で口の中のバランスを整える)

家族で囲む食卓に、こうした“歯にやさしい食材”を意識的に取り入れてみてください。
たとえば、お雑煮に野菜を多めに加える、間食をみかんに変える――そんな小さな工夫で、お口も健康に保てます。


「歯周病は家族でうつる」って本当?

意外と知られていませんが、歯周病菌は唾液を介して家族間で感染することがあります。
箸やコップの共有、キス、食べ物の口移しなどがきっかけになることも。

だからこそ、家族みんなでケアすることがとても大切。
「お父さんだけ」「おばあちゃんだけ」ではなく、家族全員が口の中を健康に保つことが、結果的にみんなの歯ぐきを守ることにつながります。


年明けには“お口の初詣”を

お正月に神社へ初詣に行くように、歯のクリーニングや定期検診を「お口の初詣」に」してみてはいかがでしょうか?

年末年始のごちそうや生活リズムの乱れで、口の中は意外とお疲れ気味。
プロのクリーニングで歯石や汚れを取り除くと、歯ぐきの炎症が落ち着き、気持ちもスッキリします。
「今年も健康でおいしく食べられますように」という願いを込めて、年明けのチェックをおすすめします。


まとめ:家族の笑顔は、健康な口から

年末年始は、1年の中でもっとも“笑顔が増える季節”。
おいしいごはんを囲んで話したり、写真を撮ったり――そのどれもが、元気な歯と歯ぐきがあってこそ楽しめる時間です。

家族みんなで、この3つを心がけてみてください。

  • 食後のうがい
  • 丁寧な歯みがき
  • 定期的な歯ブラシ交換

「健康な歯ぐきで、新しい年を気持ちよく迎える」――そんな一年のスタートを切りましょう。
私たちも、皆さまの“家族の笑顔”を守るお手伝いをしていきます。


デンタルフラッグ・ステージ二日町 院長 前澤訓(マエザワサトシ)

宮城県仙台市出身
日本歯科大学生命歯学部(東京) 口腔外科第二講座大学院卒業
2010年 デンタルフラッグ・ステージ二日町開業 院長
宮城県歯科医師会代議委員
宮城県歯科医師連盟評議委員
宮城県日本歯科大学校友会理事
社会福祉法人未来福祉会理事
仙台市立広瀬中学校校医
ミッキーこども園園医(北仙台園、八乙女園、泉中央園、八乙女中央園、榴ヶ岡公園前園)
ぶんぶん保育園園医(二日町園、小田原園)
少林寺拳法中拳士三段

(2025年11月現在)