こんにちは!仙台市青葉区の歯科クリニック『デンタルフラッグ・ステージ二日町』院長 前澤訓(マエザワサトシ)です。
歯やお口の健康は「その人だけの問題」と思われがちですが、実は家族ぐるみで取り組むことがとても大切です。なぜなら、お口の環境は生活習慣や感染、さらには日々のサポートによって大きく変わるからです。
赤ちゃん、子ども、パパ・ママ、そしておじいちゃんおばあちゃんまで――世代ごとに必要な口腔ケアを理解し、家族みんなで支え合うことが、健康な毎日への第一歩になります。
今回は「ライフステージごとの口腔ケアのポイント」と「家族で実践できる工夫」をご紹介します。
1. 赤ちゃんの口腔ケア
「まだ歯がないから大丈夫」と思う方も多いですが、実は歯が生える前からお口のケアは始まっています。
歯が生える前
ガーゼで口の中を優しく拭いてあげると、清潔を保てるだけでなく「お口を触られること」に慣れるので、後の歯みがきがスムーズになります。乳歯が生え始めたら
赤ちゃん専用の歯ブラシを使い、仕上げみがきをしてあげましょう。虫歯菌は大人から感染することが多いため、家族がスプーンや箸を共有しない、キスで唾液を移さないなどの工夫も大切です。家族が気を付けること
パパ・ママ自身が口腔内を清潔にしておくことが、赤ちゃんの虫歯予防につながります。
2. 幼児〜小学生の口腔ケア
この時期は「自分でみがけるようになる」一方で、「磨き残しが多い」年代でもあります。
仕上げみがきは小学校低学年まで
本人に任せるだけでなく、大人がチェックしてあげましょう。特に奥歯の溝や歯と歯の間は要注意です。生活習慣の影響が大きい時期
おやつの食べ方、ジュースやお菓子の頻度などが虫歯のリスクに直結します。時間を決めて食べ、だらだら食べを避ける習慣づけを。歯並びチェックも重要
顎の成長や指しゃぶりなどの癖によって歯並びが乱れることがあります。定期健診で早めに相談すると安心です。
3. 中高生の口腔ケア
部活動や塾で忙しくなる時期。生活が不規則になり、ケアが後回しになりがちです。
永久歯が生え揃い、親知らずも動き始める時期
歯列の完成度を確認し、必要に応じて矯正や親知らずのチェックを行います。思春期は口臭や見た目を気にすることも多い
「きちんと歯みがきすること=エチケット」という視点で伝えると、モチベーションが上がりやすいです。家族の声かけが大切
「歯医者は怖いもの」ではなく「未来の自分のための通院」と理解できるようサポートしましょう。
4. パパ・ママ世代の口腔ケア
子育てや仕事に忙しく、自分のケアが後回しになりやすい世代です。
歯周病リスクが高まる時期
30代から歯周病の症状が出始める方が増えてきます。歯ぐきの腫れや出血に気づいたら早めに受診しましょう。子どもへの影響も大きい
親が歯みがきをサボれば、子どもも真似します。親の口腔ケアが「お手本」になります。夫婦での取り組みが効果的
お互いに歯科検診をすすめ合ったり、同じタイミングで歯科に行くなど「二人三脚」でケアするのがおすすめです。
5. シニア世代の口腔ケア
加齢とともに歯や歯ぐきは弱くなり、ケアを怠ると食生活や健康全般に影響します。
入れ歯やブリッジの管理
清掃を怠ると歯周病や口臭の原因になります。専用のブラシや洗浄剤を使いましょう。誤嚥性肺炎のリスク
高齢者では、口の中の細菌が肺に入って炎症を起こすことがあります。口腔ケアは「命を守るケア」とも言えるのです。家族のサポートが必要
介護が必要な場合、周囲の協力で口腔ケアを継続することがとても大切です。
6. 家族全員で取り組む工夫
同じ歯磨きタイムをつくる
寝る前はみんなで歯をみがく「家族の習慣」にする。歯ブラシを見えるところに置く
リビングや洗面台に置いて「意識」を高めましょう。定期検診を“家族行事”にする
家族そろって同じ時期に歯科医院へ行けば、忘れにくくなります。
まとめ
口腔ケアは「自分のため」だけでなく「家族のため」でもあります。
赤ちゃんの虫歯予防から、高齢者の健康寿命の延伸まで――お口のケアはすべての世代に関わる大切なテーマです。
ぜひ、ご家族みんなで声をかけ合いながら、楽しく口腔ケアに取り組んでみてくださいね!
監修:デンタルフラッグ・ステージ二日町 院長 前澤訓(マエザワサトシ)
宮城県仙台市出身
日本歯科大学生命歯学部(東京) 口腔外科第二講座大学院卒業
2010年 デンタルフラッグ・ステージ二日町開業 院長
宮城県歯科医師会代議委員
宮城県歯科医師連盟評議委員
宮城県日本歯科大学校友会理事
社会福祉法人未来福祉会理事
仙台市立広瀬中学校校医
ミッキーこども園園医(北仙台園、八乙女園、泉中央園、八乙女中央園、榴ヶ岡公園前園)
ぶんぶん保育園園医(二日町園、小田原園)
少林寺拳法中拳士三段
(2025年9月現在)