こんにちは。仙台市青葉区の歯科クリニック『デンタルフラッグ・ステージ二日町』院長 前澤訓(マエザワサトシ)です。
朝晩の冷え込みがぐっと増してきましたね。
寒くなると体がこわばったり、風邪をひきやすくなったりと、健康管理が少し大変になりますが……
実はこの季節、お口の中のトラブルにも注意が必要なんです。
その中でも特に気をつけたいのが、歯周炎(ししゅうえん)。
「歯ぐきが腫れて痛い」「ブラッシングで血が出る」など、いつもの違和感が強く出やすい時期でもあります。
今日は、「なぜ冬に歯周炎が悪化しやすいのか?」そして「どうすれば予防できるのか?」について、やさしく解説していきます。
寒い季節は“免疫力の低下”がポイント
冬になると、風邪やインフルエンザなどの感染症が流行しますよね。
これは、寒さによって体の免疫力が下がることが大きな原因です。
実は、免疫力の低下はお口の中にも影響します。
歯周炎は“細菌の感染症”の一種。
普段は体の防御力によって抑えられている歯周病菌も、免疫が弱ることで活動が活発になり、炎症を起こしやすくなるのです。
さらに冬は、体が冷えることで血行が悪くなり、歯ぐきにも十分な酸素や栄養が届きにくくなります。
その結果、歯ぐきの抵抗力が下がって炎症が長引くことも。
ちょっとした疲れや風邪気味のときに、「歯ぐきがうずく」「歯が浮いたように感じる」などの違和感が出たら、早めに受診するのがおすすめです。
空気の乾燥も歯周炎を悪化させる!?
冬のもう一つの大敵は、「乾燥」です。
お肌だけでなく、お口の中も乾きやすくなります。
唾液には、細菌を洗い流す“自浄作用”があります。
ところが、乾燥によって唾液の量が減ると、お口の中の細菌が増えやすくなり、歯ぐきに炎症を起こすリスクが高まります。
また、暖房の効いた部屋に長時間いると、口呼吸になりやすく、さらに乾燥が進みます。
知らず知らずのうちに「口の中がカラカラ」という状態になっていませんか?
乾燥対策としては:
- こまめな水分補給(お茶よりもお水がおすすめ)
- 加湿器や濡れタオルで湿度を保つ
- 鼻呼吸を意識する
口の中がうるおうだけで、歯周炎の悪化をぐっと防げます。
冬は“歯みがきの手抜き”にも要注意
寒い季節は、どうしてもお風呂やベッドが恋しくて、
「今日はちょっとサボっちゃおうかな」となりがちです。
でも、そんな“油断の1日”が続くと、プラーク(歯垢)がすぐに歯ぐきに炎症を起こしてしまいます。
とくに歯周病治療後の方や、歯ぐきが敏感な方は要注意です。
歯みがきは“毎日の薬”のようなもの。
たった1日でもサボると菌が増え、炎症がぶり返すことがあります。
眠くても、寒くても、「今日だけはしっかり磨こう」と意識してみてくださいね。
おすすめは、夜の歯みがきを重点的に行うこと。
就寝中は唾液の分泌が減るため、菌が繁殖しやすくなります。
夜のケアを丁寧にすることで、朝の口のねばつきや出血も防げます。
冬の“食生活”も歯ぐきに影響します
寒くなると、あたたかい鍋やラーメン、甘いスイーツなどが恋しくなりますよね。
しかし、糖分や塩分の多い食事が続くと、細菌が増えやすく、歯周病リスクを高めます。
また、野菜不足になりやすいのも冬の特徴です。
ビタミンCやカルシウム、たんぱく質が不足すると、歯ぐきの修復力が下がってしまいます。
おすすめは、
- みかんやブロッコリーなどのビタミンC食品
- 豆腐・魚・鶏肉などの良質なたんぱく質
- 緑黄色野菜や海藻類
冷え防止にもつながる食材を積極的に取り入れましょう。
冬こそ“定期メンテナンス”をサボらずに
年末年始は何かと忙しく、歯科の定期検診を後回しにしてしまう方も多い時期です。
でも、この季節のメンテナンスこそ重要です。
寒さや乾燥、生活リズムの乱れなどが重なりやすいため、炎症が再発しやすくなります。
歯ぐきのチェックやクリーニングをしておくことで、トラブルの早期発見・早期対応が可能になります。
「今年の汚れは今年のうちに」
という言葉のとおり、お口の中もリセットして新しい年を迎えましょう。
ストレスと冷えも見逃せない
冬場は、仕事や年末行事などでストレスを感じやすく、
体が冷えて筋肉もこわばります。
ストレスが続くと、自律神経のバランスが乱れ、唾液の分泌が減ります。
また、食いしばりや歯ぎしりが起こりやすくなり、歯ぐきへの負担が増します。
寝ている間の食いしばりが気になる方は、マウスピース(ナイトガード)の使用もおすすめです。
歯や歯ぐきの負担を減らし、炎症の再発を防ぐことができます。
まとめ:寒い季節こそ「お口の健康習慣」を整えよう
寒さや乾燥、免疫力の低下によって、冬は歯周炎が悪化しやすい季節です。
でも、少し意識を変えるだけで、再発をしっかり防ぐことができます。
今日からできる冬の歯ぐきケア:
- 体を温めて血流を保つ(首・足首・お腹を冷やさない)
- 口の中を乾かさない(こまめに水を飲む・加湿)
- 毎日の歯みがきを丁寧に(特に寝る前)
- 栄養バランスを意識(野菜・たんぱく質・ビタミンC)
- 定期的に歯科検診を受ける
寒い季節も、しっかりケアを続けることで、春を気持ちよく迎えられます。
お口の中のちょっとした変化でも、遠慮なくご相談くださいね。
デンタルフラッグ・ステージ二日町 院長 前澤訓(マエザワサトシ)

宮城県仙台市出身
日本歯科大学生命歯学部(東京)口腔外科第二講座大学院卒業
2010年 デンタルフラッグ・ステージ二日町開業 院長
宮城県歯科医師会代議委員
宮城県歯科医師連盟評議委員
宮城県日本歯科大学校友会理事
社会福祉法人未来福祉会理事
仙台市立広瀬中学校校医
ミッキーこども園園医(北仙台園、八乙女園、泉中央園、八乙女中央園、榴ヶ岡公園前園)
ぶんぶん保育園園医(二日町園、小田原園)
少林寺拳法中拳士三段
(2025年11月現在)



