こんにちは。仙台市青葉区の歯科クリニック『デンタルフラッグ・ステージ二日町』院長 前澤訓(マエザワサトシ)です。
いよいよ今年も残りわずか。年末年始は、何かと慌ただしい季節ですね。
お仕事が立て込んだり、忘年会・新年会が続いたり、生活リズムが乱れがち。
ついつい「歯みがきは明日の朝でいいか…」なんて油断してしまう方も多いかもしれません。
でも実は――
冬こそ、歯ぐきのトラブルが増える季節なんです。
今日は、「なぜ冬に歯ぐきが弱りやすいのか?」
そして「年末年始を健康なお口で過ごすために気をつけたいこと」について、少しお話ししたいと思います。
冬に歯ぐきが不調になりやすい理由
① 体の免疫力が下がる
寒くなると血行が悪くなり、体温も下がります。
すると免疫の働きが鈍くなり、歯周病菌などの細菌に負けやすくなります。
つまり冬の歯ぐきトラブルは、風邪やインフルエンザと同じように“免疫力低下”が関係しているのです。
② 暖房による乾燥
暖かい部屋で長時間過ごすと、空気が乾いて口の中も乾燥します。
唾液が減ると、細菌を洗い流す力が弱まり、歯ぐきの炎症が起こりやすくなります。
いわば、「乾燥する季節の口トラブル」=冬の歯ぐき不調です。
③ 食生活・生活リズムの乱れ
年末年始は、ついつい食べすぎ・飲みすぎになりやすい時期。
甘いものやアルコールは、歯周病菌の栄養にもなってしまいます。
さらに、夜更かし・睡眠不足・ストレスなども免疫を下げ、歯ぐきの炎症を悪化させます。
こんな症状、冬の歯ぐきトラブルかも?
- 歯ブラシの先に血がつく
- 歯ぐきが赤く、腫れぼったい
- 朝、口の中がネバネバする
- 歯が浮いたように感じる
- 冷たい水でしみる
これらは、歯肉炎や歯周炎の初期症状であることが多いです。
痛みが強くないので「そのうち治るかな」と放っておく方もいますが、放置は危険。
歯を支える骨がじわじわと減ってしまうこともあります。
年末年始に歯ぐきを守る5つのポイント
① 体を冷やさない
歯ぐきの健康には血流がとても大切です。
首・足首・お腹を温めて全身の巡りを良くしましょう。
温かいお茶でうがいをするのもおすすめです(熱湯は避けましょう)。
② 乾燥対策を忘れずに
暖房の効いた部屋では、加湿器や濡れタオルで湿度を保ちましょう。
口呼吸をしている方は、鼻呼吸を意識するだけでも唾液量が変わります。
「冬は知らぬ間にドライマウスになっている」ことを、ぜひ覚えておいてください。
③ 夜の歯みがきは“しっかり”と
年末年始のごちそうの後、「今日はいいか」と寝てしまうのは歯ぐきに大打撃です。
寝ている間は唾液が減り、細菌が最も繁殖する時間。
食後すぐにみがくのが難しいときは、うがいだけでも早めに行うと違います。
丁寧に歯と歯ぐきの境目を磨き、フロスや歯間ブラシで仕上げるのがおすすめです。
④ 食事の栄養バランスを意識
ビタミンC・カルシウム・たんぱく質は、歯ぐきの健康を支える三本柱。
・みかんやブロッコリー(ビタミンC)
・小魚や牛乳(カルシウム)
・豆腐や鶏肉(たんぱく質)
「おせち」や「鍋料理」には意外とこれらの栄養が多く含まれています。
おいしく食べながら、歯ぐきを元気にしましょう。
⑤ 新年を迎える前にチェックを
「今年最後の検診、まだ行けていない…」という方も多いのではないでしょうか。
歯ぐきの腫れや出血は、早めに治療すれば軽い処置で済むことがほとんどです。
年末までに一度チェックしておくと、安心して新しい年を迎えられます。
“忙しい年末”こそ気をつけたい歯ぐきの疲れ
実は、年末は「歯ぎしり」「食いしばり」が増える時期でもあります。
仕事の追い込み、家の準備、忘年会など、知らないうちにストレスが溜まりやすいからです。
強い食いしばりは、歯ぐきや歯を支える骨に大きな負担をかけ、炎症を悪化させてしまいます。
朝起きたときにあごが疲れている方は、ナイトガード(マウスピース)で歯を守るのも一つの方法です。
“新年のスタート”に、お口のリセットを
年が明けると、「新しい手帳」「新しい靴」「新しい気持ち」でスタートを切る方も多いと思います。
そこに「新しい歯ぐき習慣」もプラスしてみませんか?
- 夜の歯みがきを1分長くする
- フロスを週2回から毎日にしてみる
- 朝起きたらまずうがいでお口をリフレッシュ
そんな小さな心がけが、1年後の歯ぐきを変えていきます。
まとめ:寒い冬も笑顔で過ごすために
冬は寒さ・乾燥・生活リズムの変化で、歯ぐきに負担がかかる季節です。
でも、ちょっとした意識と早めのケアで、トラブルを防ぐことができます。
冬の歯ぐきケア5か条
- 冷やさない
- 乾かさない
- 夜の歯みがきを丁寧に
- 栄養バランスを意識
- 定期検診で早期発見
お口も体の一部。健康は“歯ぐきから”です。
今年の疲れは今年のうちに。お口の中もリフレッシュして、新しい年を気持ちよく迎えましょう。
デンタルフラッグ・ステージ二日町 院長 前澤訓(マエザワサトシ)

宮城県仙台市出身
日本歯科大学生命歯学部(東京)口腔外科第二講座大学院卒業
2010年 デンタルフラッグ・ステージ二日町開業 院長
宮城県歯科医師会代議委員
宮城県歯科医師連盟評議委員
宮城県日本歯科大学校友会理事
社会福祉法人未来福祉会理事
仙台市立広瀬中学校校医
ミッキーこども園園医(北仙台園、八乙女園、泉中央園、八乙女中央園、榴ヶ岡公園前園)
ぶんぶん保育園園医(二日町園、小田原園)
少林寺拳法中拳士三段
(2025年11月現在)



