こんにちは。仙台市青葉区の歯科クリニック『デンタルフラッグ・ステージ二日町』院長 前澤訓(マエザワサトシ)です。
毎日きちんと歯みがきをしていても、
「なんとなく歯ぐきが腫れやすい」「虫歯になりやすい気がする」
という方、いらっしゃいませんか?
実は、お口の健康は“食べ方”や“食べ物”とも深い関係があります。
歯は食べることで強くもなり、逆に食べ方によって弱くもなってしまうのです。
今日は、そんな「歯に良い食事」について、わかりやすくお話ししていきます。
歯の健康を守る3つの柱
歯に良い食事というと「甘いものを控える」だけを思い浮かべる方も多いかもしれません。
もちろんそれも大事ですが、実はそれだけではありません。
歯の健康を支えるのは、次の3つの柱です。
- 歯をつくる栄養をとる
- 唾液をしっかり出す
- だらだら食べを控える
この3つを意識するだけで、お口の環境はぐっと変わります。
① 歯をつくる栄養をとる
歯も骨と同じように、生きている組織です。
毎日の栄養からカルシウムやたんぱく質を補うことが大切です。
● カルシウム
歯の主成分。
牛乳・チーズ・小魚・ひじきなどに多く含まれています。
ポイントは、「ビタミンDと一緒にとる」こと。
ビタミンDはカルシウムの吸収を助けてくれるので、
鮭や卵、きのこ類と組み合わせるのがおすすめです。
● たんぱく質
歯ぐきや歯の土台(歯槽骨)をつくる大切な栄養です。
肉・魚・卵・豆腐・納豆など、毎食どれか一品入れるようにしましょう。
● ビタミンC
歯ぐきの健康には欠かせません。
柑橘類・ブロッコリー・赤ピーマン・じゃがいもなどに多く含まれます。
冬はみかんを上手に取り入れて、歯ぐきの元気を保ちましょう。
● ビタミンA
お口の粘膜を守るビタミン。
人参やほうれん草、レバーなどに豊富です。
風邪予防にもつながります。
② 唾液をしっかり出す食べ方を
唾液には、細菌を洗い流し、虫歯を防ぐ力があります。
ところが、やわらかい食事ばかり続けていると、噛む回数が減り、唾液が少なくなってしまいます。
噛むことで唾液が出て、歯が自然に守られている――
そんな「お口の自浄作用」を高めることも、歯に良い食事の大事なポイントです。
● よく噛むための工夫
・根菜(ごぼう・れんこん・にんじん)を入れたお味噌汁
・玄米や雑穀米など少し歯ごたえのあるご飯
・しゃきしゃきのサラダやりんごなどの果物
噛む刺激はあごの筋肉を動かし、血流を良くしてくれます。
それが歯ぐきの健康にもつながります。
③ だらだら食べを控える
「歯に悪い」と言われる最大の理由は、“糖”が関係しています。
でも実は、甘いものを食べること自体が悪いのではなく、“食べ方”が問題なんです。
お口の中は、食べるたびに酸性に傾き、歯が溶けやすくなります。
唾液がその酸を中和して元に戻すまでに、だいたい30~60分かかります。
そのため、
・ちょこちょこお菓子を食べ続ける
・ジュースを長時間ちびちび飲む
こうした「だらだら食べ」を続けると、歯がずっと酸にさらされてしまいます。
おやつは時間を決めて、回数を減らすだけでも、虫歯リスクは大きく下がります。
歯にやさしい食べ物・飲み物
● チーズ
カルシウムが豊富で、食後の酸を中和してくれます。
ワインと一緒に…というより、日常の軽いおやつにもおすすめです。
● 緑茶
カテキンには抗菌作用があり、虫歯菌や歯周病菌の増殖を防ぎます。
ただし濃い緑茶はカフェインもあるので、寝る前は控えめに。
● 水
実は「一番のデトックス飲料」。
食後にひと口飲むだけでも、口の中の汚れを流してくれます。
歯に悪影響を与えやすい食べ物・習慣
・砂糖の多いお菓子や清涼飲料水
・酸の強いドリンク(炭酸飲料・スポーツドリンク・酢ドリンク)
・寝る前の飲食
これらは、歯のエナメル質を溶かしたり、虫歯菌を活発にしてしまう原因になります。
特に「夜寝る前に甘い飲み物」は、お口の中にとって大敵です。
バランスのとれた“歯にやさしい献立”の例
朝:ごはん・焼き鮭・ほうれん草のおひたし・みそ汁(豆腐とわかめ)
昼:雑穀ごはん・鶏むね肉の照り焼き・ブロッコリーサラダ
夜:根菜入り豚汁・豆腐ステーキ・小魚の佃煮
間食:チーズ・ナッツ・緑茶
こうしてみると、「歯に良い食事」は特別なものではありません。
日本の昔ながらの食卓が、実はお口の健康にとても合っているのです。
食後の“ひと工夫”で歯を守る
・食後すぐに強くみがかず、うがい→10分後の歯みがきが◎
・ガムを噛んで唾液を増やす(キシリトール入りがおすすめ)
・最後に水やお茶で口をゆすいで酸を中和
小さな工夫を続けることで、歯の再石灰化(歯が自然に修復される力)を助けることができます。
まとめ:歯は「食べ物」で守れる
歯は毎日の食事でつくられ、守られています。
歯みがきだけでなく、食生活を見直すことで、
「虫歯になりにくい」「歯ぐきが健康」といった違いが確実に現れます。
歯に良い食事のポイント
バランスよく栄養をとる
よく噛んで唾液を出す
だらだら食べをしない
“何を食べるか”と同じくらい“どう食べるか”が大切です。
冬の食卓で、歯も体も健康に保ちましょう。
デンタルフラッグ・ステージ二日町 院長 前澤訓(マエザワサトシ)

宮城県仙台市出身
日本歯科大学生命歯学部(東京)口腔外科第二講座大学院卒業
2010年 デンタルフラッグ・ステージ二日町開業 院長
宮城県歯科医師会代議委員
宮城県歯科医師連盟評議委員
宮城県日本歯科大学校友会理事
社会福祉法人未来福祉会理事
仙台市立広瀬中学校校医
ミッキーこども園園医(北仙台園、八乙女園、泉中央園、八乙女中央園、榴ヶ岡公園前園)
ぶんぶん保育園園医(二日町園、小田原園)
少林寺拳法中拳士三段
(2025年11月現在)



