歯みがき粉やうがい薬、歯周病におすすめの成分は?

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こんにちは!仙台市青葉区の歯科クリニック『デンタルフラッグ・ステージ二日町』院長 前澤訓(マエザワサトシ)です。

「歯周病予防に良い歯みがき粉ってどれですか?」
「市販のうがい薬って使った方がいいんですか?」

こうしたご質問を、日々の診療でもよくいただきます。
ドラッグストアにはたくさんの製品が並んでいて、選ぶのも一苦労ですよね。

そこで今回は、歯周病予防におすすめの成分に注目して、
歯みがき粉やうがい薬を選ぶ際のポイントをわかりやすくご紹介しますね!


そもそも歯周病ってどういう病気?

まずは、歯周病の基礎をおさらいしましょう。

歯周病とは、歯のまわりの組織(歯ぐきや骨)に炎症が起きる病気です。
はじめは「歯ぐきが赤く腫れる・出血する」といった軽い症状から始まり、
進行すると、歯を支える骨が溶け、やがて歯がグラグラと揺れ、抜け落ちることもあります。

日本人の成人の8割以上が、程度の差はあれど「歯周病予備軍」といわれており、
放っておくと、虫歯よりも怖い病気でもあるのです。


歯周病対策のカギは「毎日のセルフケア」

歯周病の原因は、歯の表面につく「プラーク(歯垢)」に潜む細菌です。
この細菌をいかに取り除くかが、治療と予防の基本です。

もちろん、歯科医院でのクリーニングも大切ですが、
最も重要なのはやはり、ご自宅での毎日の歯みがきやうがいです。

そんな日常ケアをより効果的にするために、
「どんな歯みがき粉やうがい薬を使うか?」は、とても大切なポイントなんです。


歯周病対策におすすめの成分とは?

● 歯みがき粉に入っていると嬉しい成分

成分名働き
塩化セチルピリジニウム(CPC)細菌の繁殖を防ぐ・殺菌作用
トラネキサム酸(TXA)歯ぐきの炎症・出血を抑える
グリチルリチン酸ジカリウム(GK2)抗炎症作用で歯ぐきを守る
塩化クロルヘキシジン(CHX)強い殺菌効果(海外では主流)※日本では濃度制限あり
フッ素(フッ化ナトリウムなど)虫歯予防と歯質強化

これらの成分は、歯周病予防だけでなく、初期の歯肉炎にも有効です。
歯ぐきの腫れ・出血が気になる方は、**GK2(グリチルリチン酸ジカリウム)やTXA(トラネキサム酸)**入りの製品が特におすすめです。


● うがい薬・洗口液に多い成分

成分名働き
塩化セチルピリジニウム(CPC)口腔内の殺菌、口臭予防
クロルヘキシジングルコン酸塩強い殺菌作用(医療用に使用)
アラントイン傷ついた歯ぐきの修復を助ける
グリチルリチン酸ジカリウム(GK2)歯ぐきの炎症を抑える

毎日の歯みがきに加えて、洗口液を使うことで、歯と歯の間や奥歯のケアもより丁寧にできます。
特に、寝る前のうがいは、就寝中の細菌繁殖を抑えるうえでも効果的です。


注意すべき成分やポイントはある?

効果が期待できる一方で、気をつけたい点もあります。

◯ アルコール成分が強いものは刺激に注意

口の中が敏感な方、妊婦さん、お子さんなどは、
アルコールの刺激が強いタイプは避けたほうが安心です。

「低刺激タイプ」「ノンアルコールタイプ」などを選ぶようにしましょう。


◯ クロルヘキシジンは使い方に注意

クロルヘキシジンは非常に優れた殺菌成分ですが、
日本では濃度制限があるため、市販の製品ではあまり見かけません。

海外製の濃度が高い製品を個人輸入される方もいますが、
まれにアレルギー反応や着色などの副作用もあるため、使用前には十分な注意が必要です。


歯みがき粉やうがい薬は「補助的な役割」

ここで大切なのが、「成分で歯周病が治る」わけではないという点です。

たとえば、どれだけ良い成分が入っていても、
歯ブラシが正しく当たっていなければ、プラークは取りきれません。

また、歯石がたまっている状態では、どんな薬剤も届きにくいため、
まずは歯科医院でのクリーニングと正しいブラッシングが前提になります。

歯みがき粉や洗口液は、あくまで「毎日のケアをサポートするための補助ツール」と考えましょう。


歯科医院でのアドバイスも活用しよう

「自分に合った歯みがき粉がわからない…」
「今の状態に合ったうがい薬を使いたい」

そんなときは、ぜひ歯科医院でご相談ください。
お口の状態や歯周病の進行具合に応じて、最適なケア用品をご案内いたします。

当院でも、患者さまの歯ぐきの状態を見ながら、
「この時期は炎症が強いから、殺菌成分重視」
「妊娠中だから、刺激が少ないタイプを」など、
個別にアドバイスをさせていただいております。


今日からできる!歯周病ケアの3ステップ

最後に、忙しい方でもできる、歯周病ケアの基本ステップをご紹介します。

  1. 1日1回は時間をかけて丁寧な歯みがきを(特に夜)
  2. デンタルフロスや歯間ブラシで歯と歯の間をきれいに
  3. 仕上げに洗口液でお口をゆすいで、細菌の繁殖をブロック

これだけでも、お口の中の環境はかなり改善します。
ぜひ、明日からの習慣に取り入れてみてくださいね。


まとめ

歯周病は、毎日のちょっとした積み重ねで予防できる病気です。
歯みがき粉やうがい薬に含まれる成分の“ちから”も、上手に活用しながら、
ご自身に合ったセルフケアを続けていきましょう。

「何を選べばいいかわからない」「症状に合ったケアを知りたい」
そんな時は、いつでもお気軽にご相談くださいね。


監修:デンタルフラッグ・ステージ二日町 院長 前澤訓(マエザワサトシ)

宮城県仙台市出身
日本歯科大学生命歯学部(東京) 口腔外科第二講座大学院卒業
2010年 デンタルフラッグ・ステージ二日町開業 院長

宮城県歯科医師会代議委員
宮城県歯科医師連盟評議委員
宮城県日本歯科大学校友会理事
社会福祉法人未来福祉会理事

仙台市立広瀬中学校校医
ミッキーこども園園医(北仙台園、八乙女園、泉中央園、八乙女中央園、榴ヶ岡公園前園)
ぶんぶん保育園園医(二日町園、小田原園)

少林寺拳法中拳士三段
(2025年7現在)