こんにちは!仙台市青葉区の歯科クリニック『デンタルフラッグ・ステージ二日町』院長 前澤訓(マエザワサトシ)です。
「毎日ちゃんと歯をみがいているのに、歯ぐきが腫れてしまった…」
「歯医者さんに“歯周病のはじまりです”と言われてショックだった…」
そんなご相談を、実はとてもよくお聞きします。
きちんと歯みがきをしているつもりでも、歯周病の予防が不十分になっている方が多いのが現実です。
今回は、「歯みがきで本当に歯周病は防げるの?」という疑問にお答えしながら、
毎日のケアで実践できる、歯周病予防に効果的な方法をわかりやすくご紹介していきます。
歯周病は“セルフケア”で予防できる病気です
歯周病は、歯と歯ぐきの境目にたまった**歯垢(プラーク)**が主な原因です。
このプラークの中には、歯周病を引き起こす細菌がたくさん潜んでいます。
プラークは毎日の食事のたびにできるため、毎日しっかりと取り除くことが非常に大切なんですね。
つまり、「正しく、継続的に歯みがきができていれば、歯周病はかなり予防できる」ということです。
でも実際には…
- 歯と歯ぐきの境目がみがけていない
- 奥歯の裏側がみがけていない
- フロスを使っていない
といった理由で、みがき残しが起きてしまい、歯周病が進行してしまう方も多いのです。
効果的な歯みがきには“コツ”がある!
では、歯周病を防ぐためには、どんなことに気をつけて歯みがきすればよいのでしょうか?
ここからは、今日から実践できる“歯みがきのコツ”を、ポイントごとにお伝えしていきます。
【ポイント1】 歯と歯ぐきの“境目”を意識して
歯周病は、歯と歯ぐきの間にある「歯周ポケット」に汚れがたまることで始まります。
ですので、歯みがきのときは“歯の表面”だけでなく、歯と歯ぐきの境目にもしっかりブラシを当てましょう。
ブラシの毛先を、歯と歯ぐきのあいだに45度の角度で当てるのがポイント。
小刻みに優しく振動させるようにみがくと、汚れが効果的に落とせます。
【ポイント2】 力は“入れすぎない”ことが大切
「しっかりみがかなきゃ!」と強くこすってしまう方もいらっしゃいますが、
実はこれ、歯ぐきを傷つけてしまったり、歯ぐきが下がる原因になることもあるんです。
やさしく、なでるように。
1本1本をていねいにみがくように心がけましょう。
【ポイント3】 フロス・歯間ブラシは必須!
歯と歯の間には、歯ブラシの毛先はほとんど届きません。
そのため、歯周病の予防にはフロスや歯間ブラシの併用がとても重要です。
実は、歯ブラシだけで落とせるプラークは全体の約60%ほどと言われています。
つまり、40%近くの汚れは、フロスや歯間ブラシがないと取りきれないということなんですね。
フロスを使ったことがない方も、使い方を覚えると意外と簡単ですので、ぜひ挑戦してみてください。
【ポイント4】 1日1回でも“ていねいに”
歯みがきの回数よりも大切なのが、「1回1回のていねいさ」です。
特に夜寝る前の歯みがきは、細菌の増殖を抑えるうえでとても大事なタイミングです。
時間に余裕がある日は、鏡の前でフロスや歯間ブラシも使いながら、
5〜10分ほどかけて丁寧にみがいてみましょう。
【ポイント5】 自分に合った歯ブラシ・ケア用品を使う
歯ブラシの硬さ、毛先の形、フロスの種類…
お口の形や歯並び、手の使いやすさによって「合う」「合わない」があります。
市販のもので選ぶのが難しい場合は、歯科医院で相談するとご自身に合った道具を提案してもらえるのでおすすめです。
歯みがきだけでは落とせない“歯石”もある
毎日の歯みがきでかなりの汚れは落とせますが、一度歯石になってしまった汚れは、歯ブラシでは落とせません。
歯石は細菌のかたまりのようなもので、歯ぐきの炎症を引き起こす大きな原因です。
そのため、**定期的な歯科医院でのクリーニング(スケーリング)**が非常に重要です。
目安としては、3〜6ヶ月に1回程度をおすすめしています。
よくある質問「歯みがきだけで歯周病は治るの?」
歯周病のごく初期(歯肉炎)であれば、歯みがきの改善だけで回復することもあります。
ただし、中等度以上に進行した歯周病は、歯石の除去や歯周ポケットの洗浄など、専門的な治療が必要になります。
また、歯ぐきの奥深くに歯石がある場合や、歯槽骨にダメージが出ている場合には、
外科的な処置が必要になるケースも。
つまり、「セルフケアはとても大事」ですが、専門家のケアと組み合わせることが、歯周病予防には最も効果的なのです。
歯みがきを“習慣”にできれば、一生の財産に
歯周病は“沈黙の病気”とも言われ、自覚症状が出るころにはかなり進行してしまっていることもあります。
だからこそ、毎日の歯みがきは、
「今の健康を守るため」ではなく、「未来の自分を守るための投資」として考えていただければと思います。
正しいケアを身につけることは、一生の財産。
将来、自分の歯でしっかり噛んで、美味しく食べて、笑える人生を送るためにも、
今日からできるケアを大切にしていきましょう。
まとめ:歯みがきは“質”が大事!見直してみよう
- 歯周病は歯みがきで予防できる病気です
- ポイントは「境目・やさしく・ていねいに・毎日」
- 歯ブラシに加え、フロスも活用しましょう
歯石の除去など、プロのケアも大切です
ご自身のケアが本当に効果的にできているか、少しでも不安な方は、
お気軽に当院にご相談くださいね。
監修:デンタルフラッグ・ステージ二日町 院長 前澤訓(マエザワサトシ)
宮城県仙台市出身
日本歯科大学生命歯学部(東京) 口腔外科第二講座大学院卒業
2010年 デンタルフラッグ・ステージ二日町開業 院長
宮城県歯科医師会代議委員
宮城県歯科医師連盟評議委員
宮城県日本歯科大学校友会理事
社会福祉法人未来福祉会理事
仙台市立広瀬中学校校医
ミッキーこども園園医(北仙台園、八乙女園、泉中央園、八乙女中央園、榴ヶ岡公園前園)
ぶんぶん保育園園医(二日町園、小田原園)
少林寺拳法中拳士三段
(2025年7月現在)