親知らずが腫れたときの応急処置!
こんにちは!仙台の歯科クリニック『デンタルフラッグ・ステージ二日町』の院長、前澤訓(マエザワサトシ)です。
今回のテーマは、「親知らずが腫れたときの応急処置」についてです。
突然、親知らずのあたりが腫れてしまって「どうしよう…」と不安になった経験はありませんか? 患者さまからも「夜に急に痛くなって、冷やしてもいいのか分からなくて…」「週末で歯医者がやってなくて困った」というご相談をよくいただきます。
今回は、そんなときにご自宅でできる“応急処置”について、分かりやすくお話ししていきます。
■ まずは「冷やす」が基本 腫れた箇所が熱をもってジンジン痛むときは、まずは冷やすのが基本です。保冷剤や冷たいタオルをハンカチなどで包み、ほおに優しく当てましょう。強く押しつけると逆に刺激になってしまうことがあるので、やさしく当てるのがポイントです。
ただし、「冷やしてもまったく楽にならない」「どんどん腫れてくる」といった場合は、無理せず早めに歯科医院を受診することが大切です。
■ 市販の痛み止めを使うときは どうしても痛みがつらい場合は、市販の鎮痛薬(例:ロキソプロフェン、アセトアミノフェンなど)を服用して様子をみるのも一つの方法です。飲み合わせや持病のある方は、かかりつけ医や薬剤師にご相談ください。
ただし、あくまで「一時的な対処」であることを忘れずに。痛みが和らいでも、原因となっている炎症が治ったわけではありませんので、なるべく早く受診しましょう。
■ 腫れたときにやってはいけないこと 親知らずの周囲が腫れているときに、やってしまいがちなのが「強くうがいをする」「患部を指や舌で触ってしまう」ことです。
過度なうがいや刺激は、かえって炎症を悪化させたり、バイ菌が広がってしまうリスクがあります。
また、食事のときにその部分で無理に噛もうとするのも避けましょう。やわらかいものを反対側の歯で噛むなど、できるだけ負担を減らすよう意識してください。
■ 応急処置でおさまったら受診は不要? 応急処置で一時的に腫れや痛みが引いたとしても、「完全に治った」と思って放置してしまうのは危険です。
親知らずの炎症は、繰り返すうちにどんどん治りにくくなったり、周囲の歯や顎の骨にまで影響が出ることもあります。腫れが引いた今だからこそ、原因をしっかり確認して、根本的な対処を考えることが大切です。
■ なぜ腫れるの?根本原因とは 親知らず周辺の腫れの多くは、「智歯周囲炎(ちししゅういえん)」という状態です。 これは、親知らずが斜めに生えていたり、途中までしか出ていない(半埋伏歯)などの理由で、歯ぐきの奥に汚れがたまりやすく、そこから細菌感染を起こすことで炎症が広がるものです。
一度炎症が起きると、うがいなどでは取り切れない汚れや膿が奥に残ってしまい、腫れや痛みが再発しやすくなります。
■ 受診の際に気をつけたいこと 歯科医院で診察を受ける際は、「いつから痛みが出たか」「どんな症状があったか」などを具体的に伝えると、よりスムーズに診断と処置が進みます。
当院では、症状の強さや腫れの状態に応じて、抗菌薬の処方やクリーニングを行い、必要に応じて抜歯のご提案をしています。
■ 自分では判断がむずかしいときこそ 「これって放っておいていいのかな?」「痛み止めを飲んで様子をみるべき?」と迷ったときこそ、どうぞお気軽にご相談くださいね。
早めの対応が、将来のトラブル回避にもつながります。 無理せず、ご自身のお口の状態を大切にしていただければと思います。
次回は、「親知らずを抜いた場所に違和感が残る?治るまでの過程とは?」をテーマにお届けします。どうぞお楽しみに!
監修:デンタルフラッグ・ステージ二日町 院長 前澤訓(マエザワサトシ)
宮城県仙台市出身
日本歯科大学生命歯学部(東京) 口腔外科第二講座大学院卒業
2010年 デンタルフラッグ・ステージ二日町開業 院長
宮城県歯科医師会代議委員
宮城県歯科医師連盟評議委員
宮城県日本歯科大学校友会理事
社会福祉法人未来福祉会理事
仙台市立広瀬中学校校医
ミッキーこども園園医(北仙台園、八乙女園、泉中央園、八乙女中央園、榴ヶ岡公園前園)
ぶんぶん保育園園医(二日町園、小田原園)
少林寺拳法中拳士三段
(2025年4月現在)