こんにちは!仙台市の歯科クリニック「デンタルフラッグ・ステージ二日町」の院長 前澤訓(マエザワサトシ)です。
今回は、「親知らずのせいで偏頭痛や肩こりが起こることがあるの?」というテーマでお話しします。
歯と頭痛や肩こりというと、一見関係なさそうに思えるかもしれませんが、実は密接なつながりがある場合もあるのです。
親知らずと全身の不調、関係あるの?
「歯の痛みは歯の問題だけ」と考えがちですが、実際には親知らずの位置や状態によって、他の部位にまで影響が出ることがあります。中でも、偏頭痛や肩こりといった不調は、噛み合わせのズレや筋肉の緊張などからくる場合があります。
特に次のようなケースでは注意が必要です
- 親知らずが横向きに生えていて、周囲の歯を圧迫している
- 親知らず周囲の炎症が慢性化している
- 親知らずが原因で咬み合わせに偏りが出ている
これらの状態が続くと、無意識のうちに片側だけで噛むクセがついたり、顎や首の筋肉に過剰な負担がかかるようになり、肩こりや頭痛へとつながっていくことがあるのです。
偏頭痛と噛み合わせの意外な関係
顎の噛み合わせが悪いと、側頭筋や咬筋といった咀嚼に関わる筋肉が緊張しやすくなります。この筋肉の緊張が慢性化すると、こめかみ周辺の血流が悪くなり、ズキズキとした頭痛を引き起こすことがあります。
親知らずが押してきて奥歯の位置がずれたり、咬み合わせが不安定になると、こうした頭部の筋肉に負担がかかることに。これが偏頭痛の原因のひとつになるのです。
また、寝ている間の食いしばりや歯ぎしりも、親知らずが関係しているケースがあり、それによって朝から頭痛がするという方もいます。
肩こりとのつながりも見逃せない
歯の噛み合わせが悪いと、顎を正しい位置に保とうとして首や肩の筋肉が緊張します。とくに親知らずが片側だけに残っていたり、左右の噛み心地に差があると、バランスを取るために一方の筋肉だけを酷使するようになります。
この結果、
- 慢性的な肩こり
- 首のこりやだるさ
- 背中の張り感
などが生じることがあります。マッサージに通っても一時的にしか改善しない肩こりの原因が、実は親知らずにあった……ということも。
実際の患者さんの声
当院にいらした患者さんの中にも、
- 「いつも右肩だけがこると思っていたら、右下の親知らずが押していた」
- 「頭痛の原因がわからず検査しても異常なし。でも親知らずを抜いたら治まった」
といった方がいらっしゃいます。もちろんすべての偏頭痛や肩こりが親知らずによるものとは言えませんが、長年原因不明の不調に悩まされていた方にとって、抜歯がひとつの転機になることもあるのです。
気になる方は、まずはチェックを
以下のような症状がある方は、一度親知らずの状態を確認してみるとよいかもしれません:
- 奥歯や親知らずの周囲に違和感や痛みがある
- 偏頭痛が左右どちらか一方に集中する
- 肩こりが片側だけ、または慢性的に続いている
- 顎を動かすと痛む・音が鳴る
歯科医院ではレントゲンなどを使って親知らずの位置や生え方、周囲の歯や骨への影響をチェックすることができます。
まとめ
親知らずは「ただの奥歯」と思われがちですが、実は頭痛や肩こりといった全身の不調とつながっている可能性もあります。
特に親知らずが斜めに生えていたり、噛み合わせに影響を与えている場合、身体の他の部位にまで負担がかかってしまうことも。
原因がよくわからない不調がある方、何度も肩こりや頭痛に悩まされている方は、ぜひ一度お口の中も見直してみてくださいね。
監修:デンタルフラッグ・ステージ二日町 院長 前澤訓(マエザワサトシ)
宮城県仙台市出身
日本歯科大学生命歯学部(東京) 口腔外科第二講座大学院卒業
2010年 デンタルフラッグ・ステージ二日町開業 院長
宮城県歯科医師会代議委員
宮城県歯科医師連盟評議委員
宮城県日本歯科大学校友会理事
社会福祉法人未来福祉会理事
仙台市立広瀬中学校校医
ミッキーこども園園医(北仙台園、八乙女園、泉中央園、八乙女中央園、榴ヶ岡公園前園)
ぶんぶん保育園園医(二日町園、小田原園)
少林寺拳法中拳士三段
(2025年4月現在)