こんにちは。仙台市青葉区二日町の歯科クリニック『デンタルフラッグ・ステージ二日町』院長 前澤訓(マエザワサトシ)です。
今日は、多くの方が一度は迷うテーマ「銀歯とセラミック、どっちがいいの?」
について、できるだけ分かりやすくお話ししますね。
いまの日本では、虫歯治療といえば“銀歯”を思い浮かべる方が多いと思います。
一方で最近は、白くて自然な見た目の“セラミック”を選ぶ方も増えてきています。
ただ、見た目以外の違いって意外と知られていません。
「セラミックは高いけど何が良いの?」
「銀歯は本当に悪いの?」
など、患者さんからの質問もたくさんあります。
そこで今回は、
・見た目
・虫歯の再発リスク
・耐久性
・健康への影響
・費用
この5つのポイントを中心に、銀歯とセラミックの違いをじっくりお伝えします。
まずは基本:銀歯とは?セラミックとは?
【銀歯(メタル)】
保険で作れる金属の詰め物・被せ物です。
保険診療なので治療費が安く、短期間で治療できるのがメリット。
ただし、金属ゆえのデメリットもあり、
- 見た目が目立つ
- むし歯が再発しやすい
- 金属アレルギーの可能性
- 歯ぐきが黒ずむ(メタルタトゥー)
などが、近年問題になっています。
【セラミック】
陶器のような白い素材でつくられた、審美性の高い詰め物・被せ物。
保険外(自費診療)になりますが、そのぶん精密な治療が可能で、
- 自然な白さと透明感
- 清潔で汚れがつきにくい
- 金属アレルギーなし
- 長持ちしやすい
といった特徴があります。
見た目の違い:自然さのレベルがまったく違う
まず、見た目の差は誰が見ても分かるほど大きいです。
◆ 銀歯はやっぱり「見える」
笑った時や話した時に銀色が見えると、
「口元が気になる」
「笑うとき手で隠す」
という悩みにつながることも。
とくに前歯近くの銀歯は目立ちやすいですよね。
◆ セラミックは“天然の歯そのもの”
セラミックは光の透け方まで自然で、
周りの歯の色や質感に合わせて作れるため、
- 白く浮かない
- 自然に馴染む
- 近くで見ても分からない
という仕上がりになります。
見た目を気にして治療に踏み出せなかった方が、
「もっと早くやればよかった」
とおっしゃることも多いですね。
むし歯の再発リスク:ここが一番大きな違い
実は、銀歯かセラミックかの差は、見た目以上に “再発しやすさ” に表れます。
◆ 銀歯は再発しやすい理由
- 金属は硬く、歯との接着が弱い
- 時間が経つと“すき間”ができやすい
- そこにプラーク(菌)が入り込んでむし歯再発
- 表面に汚れがつきやすい
つまり、一度治療した歯でも“またむし歯になる可能性が高い”という難点があります。
◆ セラミックはぴったり密着して、汚れが付きにくい
- 歯と強力に接着する
- すき間ができにくい
- 表面がツルツルで菌がつきにくい
- 歯ぐきが炎症を起こしにくい
結果として、
むし歯の再発リスクが下がり、歯が長持ちする
と言われています。
歯を長く守るという意味では、セラミックの大きな強みです。
耐久性の違い:実は“銀歯より長持ち”するケースが多い
「銀歯のほうが金属で丈夫なのでは?」
と感じる方が多いですが、実は逆です。
◆ 銀歯の弱点
- 金属が劣化して歪む
- 接着力が弱く外れやすい
- 割れるというより“浮いてくる”
- 再治療のたびに歯を削る量が増える
◆ セラミックの強み
- 劣化しにくく長持ち
- 接着が強く外れにくい
- 噛む力に強い(特にジルコニア)
- 適切に使えば10年以上持つ例も多い
耐久性という点では、
適切なケア+定期検診があれば、セラミックの方が長く使える
と言って差し支えありません。
健康への影響:金属アレルギーの心配があるかどうか
◆ 銀歯は金属アレルギーの原因になる可能性
お口の中の金属は、唾液で少しずつ溶け出すことがあります。
それが体に吸収されていくことで、
- 手足の湿疹
- かゆみ
- 皮膚炎
などの症状を引き起こす場合があります。
また、金属が歯ぐきに染みて黒くなる「メタルタトゥー」もあります。
◆ セラミックはアレルギーの心配なし
陶器素材なので体にやさしく、
金属アレルギーのある方でも安心して使えます。
「子どもに金属アレルギーを遺したくないから…」
と、ご家族のためにセラミックを選ばれる方もいます。
費用の違い:ここは正直にお伝えします
◆ 銀歯:保険適用で費用は安い
とにかく安く早く治したい方にはメリットがあります。
◆ セラミック:自費診療のため費用は高め
ただし、
- 長持ちする
- むし歯になりにくい
- 見た目が自然
という点を考えると、長期的にはコスパが良いという見方もできます。
“今すぐの費用”か
“将来の再治療リスク”か、
患者さんによって優先順位が違うので、ここは丁寧に相談して決めていく部分です。
では、実際どちらを選べばいい?
結論としては、
**「今の歯の状態+患者さんの希望」**によってベストの選択肢は変わります。
◎ セラミックをおすすめしやすいケース
- 見た目を良くしたい
- むし歯を繰り返したくない
- 長持ちさせたい
- 金属アレルギーが不安
- 前歯の治療
まとめ:違いを知ると“自分に合った治療”が見えてくる
銀歯とセラミックには、費用面も性能も大きな違いがあります。
どちらが絶対に良い・悪いではなく、
・見た目へのこだわり
・再発を減らしたいか
・金属アレルギーの心配
・費用とのバランス
・歯の状態
これらを踏まえて、あなたにとって最適な選択肢を一緒に考えることが大切です。
「どっちを選んだらいいか分からない…」
そんな時は、まず相談するところからで十分ですよ。
無理のない範囲で、後悔しない選び方をサポートしています。
監修:デンタルフラッグ・ステージ二日町 院長 前澤訓(マエザワサトシ)
宮城県仙台市出身
日本歯科大学生命歯学部(東京) 口腔外科第二講座大学院卒業
2010年 デンタルフラッグ・ステージ二日町開業
宮城県歯科医師会代議委員
宮城県歯科医師連盟評議委員
宮城県日本歯科大学校友会理事
社会福祉法人未来福祉会理事
仙台市立広瀬中学校校医
ミッキーこども園園医
ぶんぶん保育園園医
少林寺拳法中拳士三段
(2025年11月現在)



