人間は歯を抜いたら二度と生えません!歯がまた生えてくる動物って?
こんにちは!仙台市にある歯科クリニック『デンタルフラッグ・ステージ二日町』から、今回も親知らずのお話をお届けします。院長の前澤訓(マエザワサトシ)です。
今回はいつもと少し趣向を変えて、「親知らず」から派生した、ちょっと面白いお話をしてみようと思います。
テーマは――
『人間は歯を抜いたら二度と生えませんが、歯がまた生えてくる動物はいるのか?』です!
普段、歯科医院では「この歯を抜いたらどうなりますか?」「また生えてきますか?」というご質問をいただくことがあります。
残念ながら、人間の永久歯は一度抜けてしまうと、もう二度と自然に生えてくることはありません。
でも実は、動物の中には何度も歯が生え変わる種もいるんです!
今回は、そんな「歯が生え変わる動物たち」について、ちょっとした雑学としてご紹介しますね。
人間の歯は何回生え変わる?
人間は、一般的に「乳歯」から「永久歯」への一度だけ歯が生え変わります。
乳歯は20本、永久歯は親知らずを含めると最大32本(含まないと28本)になります。
永久歯は、6歳ごろから12歳ごろにかけて生えそろってきますが、抜けてしまっても、もう新たに自然に歯が生えてくることはありません。
そのため、歯を失った場合は、
・ブリッジ ・入れ歯 ・インプラント
といった人工物で補うことになります。
では、ほかの動物はどうなのでしょうか?
歯が何度も生え変わる動物たち
● サメ(例:ホホジロザメなど)
サメは、数日から数週間のサイクルで歯が生え変わることで知られています。
なんと、一生で2万〜3万本もの歯が生え変わるとも言われているんですよ!
彼らは獲物を噛み砕いたときに歯が折れたり抜けたりしても、すぐ後ろに控えている新しい歯がベルトコンベアのように前に出てきて補充されます。
まさに「消耗品のように生え変わる歯」です。
● ワニ
ワニもまた、何度も歯が生え変わる動物です。
ワニは一生の間に約3,000回歯が生え変わると言われています。
サメほどの頻度ではありませんが、それでも新しい歯が常に用意されていて、古い歯が抜けたら自然に次の歯が生えてくる仕組みです。
この再生能力は、歯科医師からすると少しうらやましいですね(笑)
● ゾウ
ゾウもまた興味深い歯の生え変わり方をします。
人間のように上下左右に歯が並ぶのではなく、奥から手前へと“スライド”するように生え変わっていくのです。
一生のうちに6回ほど生え変わると言われていますが、最後の歯がすり減ると、それ以降は再生しません。
そのため、歯がすり減りきって食べられなくなると、寿命を迎えることもあるそうです。
なぜ人間の歯は生え変わらないのか?
進化の過程で、人間は「一度きりの永久歯」にたどり着いたと考えられています。
その背景には、食生活やあごの形状、脳の発達によって骨格のバランスが変化したことなどが影響しているとされています。
また、現代の人類は食事がやわらかくなり、歯の損耗が減ったことも関係しているかもしれません。
それでも、歯を再生できる能力があれば…と思うことは、歯科医療の世界でも長年の夢です。
実際に、歯の再生医療の研究は進んでおり、将来的には「新しい歯を生やす治療」が実現する可能性もあると言われています。
まとめ:歯が再生する動物もいるけれど、人間は…?
サメやワニ、ゾウのように、歯が生え変わる動物もいますが、人間は基本的に一度しか生え変わらない動物です。
そのため、今ある歯をどれだけ大切にするかがとても重要です。
親知らずも含めて、「この歯、残せるのかな?」「抜いたらどうなる?」など、気になることがあれば、ぜひご相談くださいね。
今回のような番外編の話題も、楽しんでいただけたら嬉しいです!
それでは、また次回のブログもお楽しみに。
監修:デンタルフラッグ・ステージ二日町 院長 前澤訓(マエザワサトシ)
宮城県仙台市出身
日本歯科大学生命歯学部(東京) 口腔外科第二講座大学院卒業
2010年 デンタルフラッグ・ステージ二日町開業 院長
宮城県歯科医師会代議委員
宮城県歯科医師連盟評議委員
宮城県日本歯科大学校友会理事
社会福祉法人未来福祉会理事
仙台市立広瀬中学校校医
ミッキーこども園園医(北仙台園、八乙女園、泉中央園、八乙女中央園、榴ヶ岡公園前園)
ぶんぶん保育園園医(二日町園、小田原園)
少林寺拳法中拳士三段
(2025年4月現在)