こんにちは！仙台の歯科クリニック『デンタルフラッグ・ステージ二日町』の院長　前澤訓（マエザワサトシ）です。
これまでのブログでも、親知らずに関するさまざまなテーマを取り上げてきましたが、今回は少し視点を変えて、「抜歯前後で意識してほしい生活習慣」についてお話ししてみたいと思います。

親知らずの抜歯は、やはり多くの方にとって“ちょっと緊張するイベント”ですよね。
抜歯自体が大変というよりも、「腫れるんじゃないか」「痛むかも」といった“その後”が気になってしまう方も多いのではないでしょうか。

でも実は、抜歯の前後にどのような生活を送るかによって、腫れや痛みの程度・回復スピードが変わってくることもあるんです。
そこで今回は、親知らずの抜歯を控えている方、これから予定している方に向けて、術前・術後に気をつけたい生活習慣を、具体的にご紹介していきます。

抜歯前に意識したい生活習慣

1. 睡眠はしっかりとっておく

まず大事なのは、体調を万全に整えておくことです。
寝不足や疲労がたまっていると、免疫力が落ちて傷の治りが悪くなることも。
抜歯の前日は、なるべく早めに休んで、十分な睡眠をとっておきましょう。

また、風邪気味だったり体調不良がある場合は、無理に抜歯を進めるよりも、まずは治してからが安心です。心配なことがあれば、遠慮なくご相談ください。

2. 食事は事前にしっかりと

抜歯当日は、麻酔が切れるまで食事ができないことが多いです。
また、術後すぐはあまり噛めない・食欲がない、ということもありますので、当日の朝や昼（抜歯が午後であれば）は、消化の良いものでエネルギーをしっかり補給しておきましょう。

ただし、脂っこいもの・アルコール・カフェインの取りすぎにはご注意を。刺激物は避け、胃腸にやさしい食事を心がけると安心です。

3. アルコール・喫煙は控えておく

お酒とタバコは、血流や免疫に悪影響を及ぼすため、傷の治りを遅くする原因となります。
少なくとも前日から控えることをおすすめします。特に喫煙者の方は、術後の回復が遅れる傾向があるため、禁煙のタイミングにする方もいらっしゃいます。

抜歯当日の注意点

1. リラックスできる服装・時間の余裕を

抜歯自体は数十分で終わることが多いですが、そのあとの休憩や説明も含めて、時間には余裕を持って来院するようにしましょう。
また、締め付けの強い服や、首元の詰まった服よりは、ゆったりとした服装でリラックスできるようにするのもポイントです。

2. 抜歯後は運動や長風呂は控えて

当日は運動や長時間の入浴、サウナなどは控えましょう。
血流が良くなりすぎると、出血が再開したり、腫れがひどくなる可能性があるためです。
できればゆっくり休む1日にしていただけると、体も早く回復してくれますよ。

抜歯後に意識したい生活習慣

1. 食事の仕方を工夫しよう

術後は、抜いた側では噛まないようにするのが基本です。
柔らかくて冷たいもの（例：豆腐・うどん・おかゆ・ヨーグルト）からスタートして、数日かけて普段の食事に戻していきましょう。

特に気をつけたいのは、硬いもの・細かいもの・粘り気のあるもの。
ポテトチップス、ゴマ、もち、おせんべいなどは傷口に入り込んでしまう可能性があるので、避けたほうが安心です。

2. 歯磨きは慎重に

術後1～2日は、うがいのしすぎや強い歯磨きは避けましょう。
血の塊（血餅）が取れてしまうと、治りが遅れたり「ドライソケット」という強い痛みを伴う状態になることがあります。

ただし、清潔を保つこと自体は大切です。歯磨きは抜歯した部分を避けながら、ほかの場所は丁寧に磨くようにしましょう。
うがいも、優しく軽く、を意識して。

3. アルコールとタバコはしばらく我慢！

前述のとおり、血流や免疫に影響を及ぼすアルコールや喫煙は、最低でも数日は控えることをおすすめします。
特に術後1～3日は大事な治癒の初期段階。少し我慢することで、腫れや痛みのリスクをグッと下げることができます。

4. 違和感が続くときは我慢しない

もしも数日たっても痛みが強い、腫れが引かない、口が開かない、熱っぽいなどの症状がある場合は、我慢せずにすぐに歯科医院へ連絡しましょう。

自己判断で放置すると、治癒が遅れたり、感染が悪化してしまうこともあります。
「ちょっと気になる」くらいでも、遠慮なくご相談くださいね。

まとめ：日々の意識が回復の早さにつながる

親知らずの抜歯は、もちろん歯科医の技術も大切ですが、それ以上に患者さんご自身の準備と生活習慣が大きく影響することもあります。

ちょっとしたことではありますが、
・前日の睡眠
・当日の食事や服装
・術後の食事やお風呂の入り方
などを意識することで、腫れや痛みを最小限に抑え、スムーズな回復につなげることができます。

これから抜歯を控えている方も、「もしかしてそろそろ抜いたほうがいいかな…？」と考えている方も、ぜひ参考にしてみてくださいね。

監修：デンタルフラッグ・ステージ二日町　院長　前澤訓（マエザワサトシ）

宮城県仙台市出身
日本歯科大学生命歯学部（東京） 口腔外科第二講座大学院卒業
2010年 デンタルフラッグ・ステージ二日町開業 院長
宮城県歯科医師会代議委員
宮城県歯科医師連盟評議委員
宮城県日本歯科大学校友会理事
社会福祉法人未来福祉会理事
仙台市立広瀬中学校校医
ミッキーこども園園医（北仙台園、八乙女園、泉中央園、八乙女中央園、榴ヶ岡公園前園）
ぶんぶん保育園園医（二日町園、小田原園）
少林寺拳法中拳士三段
（2025年4月現在）