こんにちは!仙台の歯科クリニック『デンタルフラッグ・ステージ二日町』の院長 前澤訓(マエザワサトシ)です。
今回は、「朝起きたら顎がだるい」「顎の奥が痛む」「無意識のうちに歯をギュッと噛みしめている」といった症状にお悩みの方に向けて、「食いしばり・歯ぎしりが原因で起こる顎の痛みとその対策」について、分かりやすくお話ししていきます。
食いしばり・歯ぎしりとは?
日常生活の中で無意識に行っている「食いしばり」や「歯ぎしり」。
これらは医学的には「ブラキシズム」と呼ばれ、次のように分類されます。
- グラインディング:歯をこすり合わせる(ギリギリ音が出る歯ぎしり)
- クレンチング:歯を強く噛みしめる(音は出ないが顎に大きな負担)
- タッピング:上下の歯をカチカチと打ち鳴らす
多くの人は睡眠中に無意識のうちに行っており、なかなか自覚がないのが特徴です。
顎の痛みとの関係
強い食いしばりや歯ぎしりは、顎の関節や筋肉に過度な負荷をかけます。
その結果、次のような症状を引き起こすことがあります:
- 朝起きたときに顎がこわばっている
- 顎の関節や筋肉が痛い
- こめかみや首、肩がだるくなる
- 頭痛を感じることがある
- 顎関節症(カクカク音、開けづらさ)の悪化
特にクレンチング(噛みしめ)は日中でも起こりやすく、仕事中やスマートフォンを見ているときに無意識で行っている方も多いです。
食いしばり・歯ぎしりの原因
では、なぜこうした癖が起こるのでしょうか?
1. ストレスや緊張
心理的ストレスは、体にさまざまな無意識の反応を引き起こします。その一つが歯ぎしりや食いしばり。ストレスの多い方ほどリスクが高いとされています。
2. 姿勢の悪さや習慣
猫背や頬杖、うつ伏せ寝など、顎や顔まわりに偏った負担をかける姿勢も、噛みしめを誘発する原因になります。
3. 噛み合わせのズレ
歯並びや被せ物の高さが合っていないことで、無意識に顎をずらしたり、力をかけたりしてしまう場合があります。
対策1:セルフチェックと意識づけ
まずは、日常生活の中で「自分がどのようなタイミングで食いしばっているか」を観察してみましょう。
- 集中しているときに上下の歯が触れていませんか?
- 運転中やパソコン作業中、口元に力が入っていませんか?
本来、上下の歯は安静時に接触していないのが正常です。
気づいたら「力を抜こう」「唇は閉じる、歯は離す」という意識を持つだけでも、顎への負担は減ります。
対策2:生活習慣の見直し
・ストレス発散を習慣
運動、入浴、趣味の時間などで、心と体の緊張をほぐしましょう。睡眠の質を上げることも重要です。
・就寝前の習慣を整える
スマホやパソコンの使用は就寝1時間前には控えると◎。深呼吸や軽いストレッチでリラックスを。
・姿勢の見直し
デスクワークの際の椅子やモニターの高さ、寝るときの枕の位置なども、食いしばりに影響を与えることがあります。
対策3:マウスピース(スプリント)療法
歯ぎしり・食いしばりのダメージを軽減するために、**夜間用のマウスピース(ナイトガード)**を作成することがあります。
マウスピースは、以下のようなメリットがあります:
- 歯や歯周組織の摩耗・破折を防ぐ
- 顎の筋肉の緊張を緩和する
- 顎関節への負担を減らす
保険適用での作成が可能なケースも多く、顎の痛みの軽減に大きな効果が期待できます。
対策4:歯科での咬合チェックとケア
噛み合わせにズレがある場合は、歯科医院での調整が有効です。
- 被せ物・詰め物の高さの確認
- 噛み合わせのバランス調整
- 顎の動きのチェック
丁寧に噛み合わせや顎の動きを診察し、適切な対応を行っております。
まとめ:顎の痛みは、まず食いしばりのサインに気づくことから
日常の何気ない習慣が、知らず知らずのうちに顎に大きな負担をかけているかもしれません。
「朝起きたら顎が痛い」「肩こりや頭痛もある」そんな方は、一度“食いしばり・歯ぎしり”を疑ってみてください。
当院では、マウスピースの作成や咬合調整、生活習慣のアドバイスまで、患者さんに寄り添ったサポートを行っています。
気になる症状があれば、どうぞお気軽にご相談くださいね!
監修:デンタルフラッグ・ステージ二日町 院長 前澤訓(マエザワサトシ)
宮城県仙台市出身
日本歯科大学生命歯学部(東京) 口腔外科第二講座大学院卒業
2010年 デンタルフラッグ・ステージ二日町開業 院長
宮城県歯科医師会代議委員
宮城県歯科医師連盟評議委員
宮城県日本歯科大学校友会理事
社会福祉法人未来福祉会理事
仙台市立広瀬中学校校医
ミッキーこども園園医(北仙台園、八乙女園、泉中央園、八乙女中央園、榴ヶ岡公園前園)
ぶんぶん保育園園医(二日町園、小田原園)
少林寺拳法中拳士三段
(2025年4月現在)