歯がグラグラしてきたら…それ、歯周病の進行かも

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こんにちは!仙台市の歯科クリニック「デンタルフラッグ・ステージ二日町」院長  前澤訓(マエザワサトシ)です。

最近、こんな違和感を感じたことはありませんか?

  • 「なんとなく、前より歯が動く気がする…」
  • 「りんごをかじったら、歯が浮く感じがあって心配」
  • 「歯ぐきを触ったら、ちょっとグラついている気がする」

実はそれ、歯周病がかなり進行しているサインかもしれません。

「歯がグラグラする」なんて、大人になってからはあまり経験することがないだけに、戸惑う方も多いですが、
放っておくと、最悪の場合は抜歯につながることもある重大な症状なんです。

今回は、歯がグラグラする原因と、歯周病との関係、そしてこれからの対処法について、わかりやすくお話していきます。


歯はどうやって支えられているの?

まず、「歯がグラグラする」ってどういう状態なのか?をお話しする前に、
そもそも歯がどんなふうに支えられているのかを簡単にご説明します。

私たちの歯は、「歯ぐき」だけで支えられているわけではありません。
歯の根っこは、**あごの骨(歯槽骨)にしっかり埋まっていて、さらにその周囲を歯根膜(しこんまく)**という繊維が囲んで支えています。

つまり、歯が安定しているのは、

  1. 歯槽骨(あごの骨)

  2. 歯根膜(クッションのような組織)

  3. 歯ぐき

これらが健やかに連携してくれているからこそ、しっかり噛めるんですね。


歯がグラグラするのはなぜ?

歯がグラグラする理由はいくつかありますが、一番多いのが「歯周病の進行」によるものです。

● 歯周病によるグラつき

歯周病が進行すると、歯を支えている骨(歯槽骨)がどんどん吸収され、
土台が弱くなっていきます。

まるで、根っこが腐っていく木のような状態。
根元からグラグラしてくるので、日常的な食事や会話にも支障が出てきます。

【初期】
歯ぐきに炎症 → ブラッシング時に出血する程度

【中等度】
歯周ポケットが深くなり、歯槽骨が溶け始める

【重度】
歯槽骨の吸収が進み、歯がグラつく・動揺する

このように、歯周病は**「気づかないうちに進行する」**ことが多く、
痛みがなくても、気づいたときにはグラグラ…なんてことも少なくありません。


グラグラしてきたら、抜歯しかないの?

「もう手遅れなのでは…」と不安になる方もいらっしゃいますが、
グラつきがあっても、すぐに抜歯になるとは限りません。

状態によっては、歯周病の治療によって歯ぐきの状態を安定させることができる場合もあります。

たとえば、

  • 歯の根がしっかりしていれば、動揺を止める処置(固定)を行う
  • 歯周病の治療後、骨の再生を促す処置を行う
  • 歯ぐきを整えるための外科的治療をする

 

など、できる限り“歯を残す方向”で治療を検討していきます。

ただし、あごの骨がほとんど無くなってしまっていたり、根が割れてしまっていた場合には、抜歯を検討することもあります。


歯周病によるグラつき以外の原因は?

ちなみに、歯がグラグラするのは、歯周病だけが原因ではありません。

● 噛みしめ・食いしばり

歯ぎしりやくいしばりによって、歯に過剰な力がかかり、
歯根膜がダメージを受けて、一時的に歯が浮いたような感覚になることがあります。

これを「咬合性外傷(こうごうせいがいしょう)」と呼びます。

歯周病と組み合わさると、より歯に負担がかかってしまうため注意が必要です。

● 外傷(ケガ)

転倒や事故などで強い衝撃を受けた場合も、歯がグラつくことがあります。
この場合は、速やかに歯科で診察を受けて、固定処置を行う必要があります。


歯をグラグラさせないためにできること

グラグラになってからではなく、ならないように予防することがとても大切です。
今日からでもできるケアをご紹介します。

① 正しい歯磨き

歯周病の原因は「プラーク(歯垢)」です。
毎日の歯磨きで、歯と歯ぐきの境目をやさしく丁寧に磨くことが基本です。フロスの活用もおすすめです。

② 定期的なメンテナンス

自分では落としきれない歯石やプラークを、プロの手でクリーニングすることで、歯ぐきの健康を維持できます。
3〜4か月ごとの定期検診が理想です。

③ 噛みしめ対策

くいしばりの癖がある方には、マウスピースの使用や、
顎関節に負担をかけない習慣の見直しをおすすめします。


まとめ:グラグラを感じたら早めにチェックを!

「ちょっと歯が動くかも…」と思ったら、まずは歯科医院でのチェックを。
進行した歯周病は、気づかぬうちに大切な歯を奪ってしまう病気です。

しかし、早期発見・早期治療をすれば、歯を守ることは十分可能です。
違和感があるときこそ、「今が治療のチャンス」と捉えて、早めにご相談ください。

お口の健康を守るお手伝い、当院でしっかりサポートさせていただきますよ!


監修:デンタルフラッグ・ステージ二日町 院長 前澤訓(マエザワサトシ)

宮城県仙台市出身
日本歯科大学生命歯学部(東京)口腔外科第二講座大学院卒業
2010年 デンタルフラッグ・ステージ二日町開業 院長
宮城県歯科医師会代議委員
宮城県歯科医師連盟評議委員
宮城県日本歯科大学校友会理事
社会福祉法人未来福祉会理事
仙台市立広瀬中学校校医
ミッキーこども園園医(北仙台園、八乙女園、泉中央園、八乙女中央園、榴ヶ岡公園前園)
ぶんぶん保育園園医(二日町園、小田原園)
少林寺拳法中拳士三段
(2025年7月現在)