こんにちは。仙台市青葉区の歯科クリニック『デンタルフラッグ・ステージ二日町』院長 前澤訓(マエザワサトシ)です。
最近はお子さんだけでなく、大人の方でも歯列矯正をされる方が増えてきました。歯並びが整うと見た目はもちろん、将来的な歯の健康にも良い影響があります。でも、実は矯正中は歯周病リスクが高くなることをご存じでしょうか?
今日は、矯正治療中の方に知っていただきたい歯周病のリスクと効果的なケア方法についてお話ししていきます。
矯正中はなぜ歯周病になりやすいの?
歯周病のリスクポイントは4つ!
(1)装置があるとプラークが溜まりやすい
ワイヤーやブラケット、マウスピース型装置など、どんなタイプの矯正装置でも共通しているのが、汚れがたまりやすくなるという点です。
普段なら簡単に落とせる食べかすやプラーク(歯垢)が、装置の隙間に残ってしまうことで、歯ぐきの炎症や歯周病のリスクが上がります。
(2)磨きにくさからくる清掃不足
矯正装置がついていると、歯ブラシの毛先が届きにくい部分が増えます。「磨いているつもり」でも、装置の周囲に磨き残しが多くなり、歯ぐきの腫れや出血につながることも。
(3)歯ぐきが一時的に腫れやすい
矯正で歯を動かしている期間は、歯ぐきにも軽い炎症が起こりやすくなります。これは生理的な反応ですが、そのまま放置すると歯肉炎が進行し、歯周炎に発展する恐れがあります。
(4)大人の矯正は特に要注意
成人になってから矯正を始める場合、すでに軽度の歯周病があるケースも珍しくありません。矯正治療前にきちんと歯周組織を整えておかないと、歯ぐきの状態が悪化してしまうこともあります。
矯正中に歯周病を防ぐケア方法
効果的なケア方法のポイントは6つ!
(1)ブラッシングの基本を見直す
- 歯ブラシは小さめヘッドで毛先の細いものを選ぶ
- ワイヤーの上下や装置の周囲に、毛先を斜めに当てて細かく動かす
- 一度に全てをやろうとせず、「今日は上の右側」「次は下の左側」などブロックごとに磨く
(2)補助清掃グッズを取り入れる
- タフトブラシ(ワンタフトブラシ)→ ブラケットの周囲や奥歯の後ろなど、細かい所に最適。
- デンタルフロス・スーパーフロス→ ワイヤーの下にも通しやすいタイプを使うと便利です。
- 歯間ブラシ→ 奥歯や大きい隙間のプラーク除去に。
→ 普段より“+αのケア”を心がけるだけで歯ぐきの状態が大きく変わります。
(3)マウスピース矯正中の方
装置を外して磨ける分、固定式よりは清掃しやすいです。ただしマウスピース自体のお手入れが必要です。
- 1日1回は専用クリーナーで洗浄
- 歯磨き後に清潔な状態で装着する
(4)定期的な歯科メンテナンスを受ける
矯正治療中は通常より短い間隔で歯科医院でクリーニングを受けるのが理想です。
- 1〜2か月に一度、歯石やプラークの除去
- 歯ぐきのチェック
- ブラッシング指導の見直し
→ 「装置がついているからこそ」プロの手による清掃が欠かせません。
(5)食生活にもひと工夫
- ネバネバした食べ物、硬い食べ物は装置に付きやすいので注意
- 甘い飲み物や間食を控える
- 食後はできるだけ早くうがいや歯みがきをする
→ 歯周病の原因菌は糖分が大好きです。食習慣の見直しも大切なケアの一部です。
(6)歯ぐきのマッサージやうがい
やわらかい歯ブラシや指先で歯ぐきを優しくマッサージしたり、殺菌成分入りの洗口液でうがいをするのも効果的です。血流が良くなり、歯ぐきの抵抗力が高まります。
矯正前に歯周病チェックをしておこう
矯正治療を始める前には、必ず歯周病検査を受けましょう。
- プロービング(歯周ポケットの深さ測定)
- レントゲン撮影
- 歯石除去や歯面清掃
→ すでに歯周病がある場合は、矯正よりもまず治療が優先です。健康な歯ぐきがあってこそ、きれいな歯並びを保てます。
まとめ
矯正治療中は、装置の影響で汚れが残りやすくなる→歯周病リスクが高まるということをぜひ覚えておいてください。でも心配はいりません。
- 正しいブラッシング
- 補助清掃グッズの活用
- 定期的な歯科メンテナンス
- 食生活の見直し
この4つを意識することで、矯正中でも健康な歯ぐきを保つことができます。
美しい歯並びを手に入れるためには、健康な歯ぐきが土台です。ぜひ今日から、少しずつケアを見直してみましょう!
監修:デンタルフラッグ・ステージ二日町 院長 前澤訓(マエザワサトシ)
宮城県仙台市出身
日本歯科大学生命歯学部(東京) 口腔外科第二講座大学院卒業
2010年 デンタルフラッグ・ステージ二日町開業 院長
宮城県歯科医師会代議委員
宮城県歯科医師連盟評議委員
宮城県日本歯科大学校友会理事
社会福祉法人未来福祉会理事
仙台市立広瀬中学校校医
ミッキーこども園園医(北仙台園、八乙女園、泉中央園、八乙女中央園、榴ヶ岡公園前園)
ぶんぶん保育園園医(二日町園、小田原園)
少林寺拳法中拳士三段
(2025年9月現在)