歯周病治療後の過ごし方

 |  |  | 0

 

 

 

 

 

こんにちは。仙台市青葉区の歯科クリニック『デンタルフラッグ・ステージ二日町』院長 前澤訓(マエザワサトシ)です。
歯周病治療でおこなう「スケーリング」「ルートプレーニング」の後、気を付けることありますか?と質問されることが多いです。

今回は、治療後の過ごし方や気をつけることなどを、できるだけわかりやすく解説していきますね!


スケーリング・ルートプレーニングとは?

まずは簡単におさらいです。
スケーリング・ルートプレーニング(SRP)は、歯の表面や歯ぐきの中(歯周ポケット)の奥にこびりついた歯石を除去する処置です。

  • スケーリング(Scaling):歯の表面や歯ぐきの上の歯石を取る
  • ルートプレーニング(Root planing):歯ぐきの中の歯根表面についた歯石や汚れを除去し、滑らかにする

この“ルートプレーニング”の部分がとても重要で、歯根表面を滑らかにすることで、今後汚れが付きにくくなり、歯ぐきの再生が促されます。
麻酔を使うこともあり、処置後は少し違和感が残る場合もあります。


処置後によくある反応

SRP後は、歯ぐきの状態が改善していく過程で、次のような反応が出ることがあります。

  • 歯ぐきが一時的に腫れる、またはうずくような感覚
  • 冷たいものや風で歯がしみる(知覚過敏)
  • 食事中に歯が長くなったように感じる(歯ぐきの腫れが引いたサイン)
  • 出血が少し見られる

これらは多くの場合、一時的なもので、数日から1〜2週間ほどで落ち着いてきます。
大切なのは、「痛いから」といって磨くのをやめないことです。
歯ぐきは清潔に保たれてこそ、早く回復していきます。


処置後の過ごし方 ― 注意点

  1. 刺激物・熱いものは避ける
     処置後の歯ぐきはデリケートな状態です。辛いもの、熱いスープ、アルコールなどは避けてください。

  2. 強いうがいはNG
     血がにじむことがありますが、強くうがいをすると治りが遅くなります。軽く口をすすぐ程度にしましょう。

  3. 歯ブラシは優しく
     毛先の柔らかい歯ブラシで、力を入れずに小刻みに動かすように磨きます。
     磨き残しがあると、せっかく治療した部分が再び炎症を起こすことも。

  4. 痛みや腫れが続くときは歯科医院へ
     3日以上経っても強い痛みがある、歯ぐきが膿んできた、噛むと痛いなどの場合は、無理せず再受診してください。


セルフケアのコツ ― 再発防止の鍵!

SRPで歯石をきれいに取っても、ケアを怠るとまた歯周病は再発してしまいます。
治療後こそ、**「ホームケアの質」**が大切になります。

① 毎日の歯みがきを丁寧に

1本1本の歯の根元を意識して、歯ブラシの毛先を斜め45度に当てるように。
特に奥歯の内側や歯と歯の間は、汚れが残りやすい部分です。

② フロスや歯間ブラシをプラス

歯ブラシだけでは歯と歯の間の汚れは60%ほどしか落ちません。
フロスや歯間ブラシを使うことで、磨き残しを防ぎ、歯ぐきを清潔に保てます。

③ 食生活にも気を配る

甘いもの・柔らかいものばかりだと歯垢が付きやすくなります。
噛みごたえのある野菜や繊維質の多い食事を意識して、唾液の分泌を促しましょう。

④ 定期的なメンテナンスを忘れずに

治療が終わっても、3〜6か月ごとの定期検診で歯ぐきのチェックとクリーニングを続けましょう。
歯周病は「静かに進む病気」です。早めの発見・ケアが何よりの予防になります。


よくある質問

Q. SRP後に歯がしみるのは失敗ですか?
A. いいえ、ほとんどが一時的な知覚過敏です。
歯石で覆われていた部分が露出することで一時的に刺激に敏感になりますが、歯ぐきが引き締まると落ち着きます。

Q. 治療後に歯ぐきが下がった気がします。
A. 炎症が治まると、腫れていた歯ぐきが引き締まるため、歯が長く見えることがあります。健康な状態に戻ったサインです。

Q. どれくらいで元のように食べられますか?
A. 軽度なら翌日〜2日程度、広範囲の処置では1週間ほどで違和感が減っていきます。


まとめ

スケーリング・ルートプレーニングは、歯周病治療の「再スタートライン」といえる大切な処置です。
治療後は少ししみたり違和感が出ることもありますが、それは歯ぐきが健康を取り戻していく過程です。

そして、治療を成功させる最大のポイントは、ご自宅でのケア
毎日の歯みがきやフロス、食事の工夫、定期的なチェックを習慣にすることで、再発を防ぎ、長く自分の歯を守ることができます。

歯ぐきが引き締まり、噛み心地が軽くなったと感じられるようになったら、それは歯と歯ぐきが再び元気を取り戻した証拠。
少しの努力で、お口の健康はぐんと変わります。ぜひ、前向きにケアを続けていきましょう。


デンタルフラッグ・ステージ二日町 院長 前澤訓(マエザワサトシ)

宮城県仙台市出身
日本歯科大学生命歯学部(東京)口腔外科第二講座大学院卒業
2010年 デンタルフラッグ・ステージ二日町開業 院長

宮城県歯科医師会代議委員
宮城県歯科医師連盟評議委員
宮城県日本歯科大学校友会理事
社会福祉法人未来福祉会理事
仙台市立広瀬中学校校医
ミッキーこども園園医(北仙台園、八乙女園、泉中央園、榴ヶ岡公園前園)
ぶんぶん保育園園医(二日町園、小田原園)
少林寺拳法中拳士三段
(2025年9月現在)