乾燥の季節こそ、お口のケアは大切!

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こんにちは。仙台市青葉区の歯科クリニック『デンタルフラッグ・ステージ二日町』院長 前澤訓(マエザワサトシ)です。
冬になると「肌がかさつく」「喉がイガイガする」といった乾燥トラブルが増えますが、実は お口の中も冬に乾燥しやすい場所 だとご存じですか?
「最近、口が乾く気がする」「朝起きると口がネバつく」「なんだか口臭が気になる…」――そんなお悩みを抱えている方は、冬のドライマウスが関係しているかもしれません。

そして、この**“口の乾き”は歯周病のリスクを高めるサイン**でもあります。
今回は、冬に口が乾きやすくなる理由と、今日からできる歯周病対策についてわかりやすくお話ししていきます。


 なぜ冬は口が乾きやすくなるの?

冬は気温が低く、湿度もぐっと下がります。
それに加えて、

  • 暖房による空気の乾燥
  • 水分摂取量の減少
  • マスクによる口呼吸の癖
  • 寒さによる体の緊張
  • 風邪や鼻づまりによる鼻呼吸の制限

こういった要因が重なり、唾液が減りやすい季節になります。

普段は気づかなくても、唾液はお口の中でとても重要な働きをしています。
・歯ぐきを守る
・細菌を洗い流す
・お口の環境を中性に戻す
・粘膜を潤す
・飲み込みやすくする
このように、唾液は“お口の健康の守護神”とも言える存在です。

そんな唾液が減ってしまうと…

◆ 唾液不足が引き起こすトラブル

  • 歯周病菌が増えやすくなる
  • 歯垢(プラーク)が溜まりやすくなる
  • 口臭が強くなる
  • 歯ぐきの炎症が悪化しやすい
  • カビ(カンジダ)が増えることも

特に冬は、知らない間に口が乾いている時間が長くなり、歯周病のリスクが一気に上がってしまうのです。


口が乾くと歯周病が進行しやすくなる理由

口の中が乾燥すると、唾液の“自浄作用”が低下してしまいます。
本来なら唾液が洗い流してくれる歯周病菌が、お口の中に留まりやすくなり、歯ぐきの炎症が進行しやすい環境になるのです。

さらに…

① プラークが歯ぐきの境目に溜まりやすい

水分が少ないため、歯垢が粘り気を持ち、歯ぐきの周りにくっつきやすくなります。

② 炎症が悪化しやすい

乾燥した歯ぐきは傷つきやすく、赤く腫れたり、出血もしやすくなります。

③ マスクの着用で口呼吸が増える

鼻呼吸よりも口呼吸のほうが、お口の乾燥が強くなり、細菌の増殖が加速。

このように、冬は“歯周病が進みやすい環境”が揃ってしまっているのです。


今日からできる!冬の口の乾き対策&歯周病予防

ここからは、すぐに実践できる対策をご紹介します。
難しいものはありませんので、取り入れられるものからぜひ始めてみてくださいね。


① こまめな水分補給を意識する

「冬は夏ほど喉が乾かないから」と、水分をあまり摂らない方が多いですが、これが乾燥の大きな原因です。
温かいお茶や白湯をこまめに飲むだけで、唾液の分泌が促されます。

※ただし、緑茶や紅茶にはカフェインがあり利尿作用がありますので、白湯が最もおすすめです。


② 口呼吸を鼻呼吸へ切り替える意識を

気づくと口が開いていませんか?
口呼吸は、乾燥の最大の原因です。

  • マスクの内側で口が開いていないか意識する
  • 鼻がつまむときは耳鼻科での相談を
  • 寝るときは枕の高さを調整して口が閉じやすい姿勢に

これだけでも改善することがあります。


③ 部屋の乾燥対策をしよう

暖房をつけると、湿度は思っている以上に下がります。
室内は 湿度40~60%程度 を目指しましょう。

  • 加湿器を使う
  • 室内に洗濯物を干す
  • コップに水を入れて置く

こうした簡単な工夫でも十分効果があります。


④ 唾液腺マッサージもおすすめ

口の周りには、唾液の出る“唾液腺”があります。
軽く押してあげることで、唾液の分泌が促されます。

◎方法(かんたん3ステップ)

  • 耳下腺(耳の前部分)を指で円を描くように優しく回す
  • 顎の内側(顎下腺)を指で押しながらマッサージ
  • 舌の付け根(舌下腺)をやさしく押す

テレビを見ながらでも気軽にできますよ。


⑤ ガムやタブレットを活用

キシリトール入りガムは、噛むことで唾液が出やすくなります。
ただし 砂糖入りのものは逆効果 なので注意してくださいね。

※ガムが難しい方は、キシリトールタブレットもおすすめです。


⑥ 保湿ジェルやスプレーでケアする方法も

お口の乾燥が強い方には、市販の口腔保湿ジェルやスプレーが効果的です。
就寝前に使うと、夜中の乾燥を和らげてくれます。


⑦ 冬こそ「歯周病のメンテナンス」を

お口が乾燥すると歯垢がつきやすくなるため、歯科での定期的なクリーニングはとても効果的です。
「口が乾きやすい」「歯ぐきが腫れやすい」「口臭が気になる」など、ちょっとした変化も早めの受診でしっかりケアできます。


まとめ ― 冬の乾燥は“歯ぐきの乾燥”でもある

冬は、気付かないうちにお口が乾燥し、歯周病が進行しやすい季節です。
でも、日常のちょっとした対策で、乾燥によるトラブルは大きく軽減できます。

  • こまめな水分補給
  • 鼻呼吸を意識
  • 室内の加湿
  • 唾液腺マッサージ
  • キシリトールガム
  • 歯科でのクリーニング

これらを組み合わせることで、冬も歯ぐきを健康に保つことができます。

「冬になると口が乾く…」という方は、ぜひ早めのケアを始めてみてくださいね。
お困りの際は、いつでもお気軽に当院へご相談ください。


監修:デンタルフラッグ・ステージ二日町 院長 前澤訓(マエザワサトシ)

宮城県仙台市出身
日本歯科大学生命歯学部(東京) 口腔外科第二講座大学院卒業
2010年 デンタルフラッグ・ステージ二日町開業
宮城県歯科医師会代議委員
宮城県歯科医師連盟評議委員
宮城県日本歯科大学校友会理事
社会福祉法人未来福祉会理事
仙台市立広瀬中学校校医
ミッキーこども園園医
ぶんぶん保育園園医
少林寺拳法中拳士三段
(2025年4月現在)