こんにちは。仙台市青葉区二日町の歯科クリニック『デンタルフラッグ・ステージ二日町』院長 前澤訓(マエザワサトシ)です。
今日は、これからセラミック治療を検討している方に向けて、「そもそもセラミックってどんな治療なの?」「メリットだけじゃなくデメリットも知りたい」という疑問に、できるだけやさしくお答えしていきます。
最近は、テレビやSNSで「白い歯」「セラミック」「審美歯科」という言葉をよく耳にするようになりましたよね。
ただ、実際のところは「なんとなく白くて綺麗な歯になるらしい…くらいしか分からない」という方がほとんどです。
まずは、難しいことは抜きにして、“セラミック治療の全体像”を一緒に見ていきましょう。
そもそもセラミック治療って何?
セラミック治療とは、虫歯治療や見た目の改善のために、歯に「陶器のような白い素材(セラミック)」を使って詰め物や被せ物を作る治療のことです。
一番よく聞く銀歯(メタル)と比べて、
- 白くて自然な見た目
- 金属を使わない
- 汚れがつきにくい
- 長く安定しやすい
といった特徴があります。
“陶器”と言っても茶わんや湯飲みとは全然違い、歯科用に特別に開発された非常に丈夫な素材なんです。
そのため、前歯のような細かい見た目が大事な部分にも、奥歯のように強い力がかかる部分にも使うことができます。
セラミック治療の種類はさまざま
一言でセラミックと言っても、実はいくつか種類があります。
ざっくり分けるとこんなイメージです。
部分的な詰め物(インレータイプ)
銀歯の詰め物を白いセラミックに変えたい場合など。かぶせ物(クラウンタイプ)
歯全体を覆うタイプ。虫歯が大きい時によく使われます。前歯の表面だけを薄く貼るタイプ(ラミネートべニア)
すきっ歯、形の不揃い、色の濃い歯を自然にキレイにしたい時に。
素材によって “透明感の出し方” や “強度”、 “見た目の自然さ” が変わるため、目的に合わせて選びます。
(このへんは、シリーズ後半でさらに深堀りしますね。)
セラミック治療のメリット
ここからが気になるポイントですよね。
セラミック治療のメリットは、実は「見た目がきれいになる」だけではありません。
① とにかく自然で美しい見た目に仕上がる
セラミックの一番の魅力は、透明感のある自然な白さです。
光の透け方まで天然の歯に近く、人によって色や質感を細かく調整することもできます。
「歯だけ浮くのがイヤ」
「白すぎるのもイヤ、自然にしたい」
という方にも対応しやすい素材です。
② 汚れがつきにくく、むし歯の再発を防ぎやすい
セラミックは表面がとてもツルツルしていて、プラーク(歯垢)が付きづらい性質を持っています。
そのため、
- むし歯の再発リスクを減らせる
- 歯ぐきの炎症が起こりにくい
- においの元がつきにくい
といった点で、実は健康面でもメリットが大きいんです。
③ 金属アレルギーの心配がない
セラミックは金属を使わないため、
- 将来的に金属アレルギーが心配
- 歯ぐきの黒ずみが気になる(メタルタトゥー)
といった問題を回避できます。
④ 長持ちしやすい素材
適切にケアすれば、10年以上使える例も多く、長期的に安定しやすい材料です。
噛む力が強い方でも使いやすいタイプ(ジルコニアなど)も増えており、耐久性は年々向上しています。
セラミック治療のデメリット
どんな治療にもメリット・デメリットがあります。
セラミックだけを絶賛するのではなく、正直にお伝えしておきたい点がこちらです。
① 自費診療になるため費用がかかる
一番のデメリットはやはり“費用”です。
セラミック治療は保険の適用外となるため、素材・技工士さんの技術・医院の設備によって料金に幅があります。
ただし、
“再発しにくく長持ちする”
→ “結果的に再治療が少なく、長期的な負担が減るケースもある”
という見方もできます。
② 歯を削る量が必要な場合がある
特に前歯を美しく仕上げる場合、適切な厚みを確保するために“ある程度の削合量”が必要です。
ただし、最近は削る量を少なくできる方法(ラミネートべニア等)も選択できます。
③ 強い衝撃で割れるリスクはゼロではない
陶器の一種なので、
強く歯ぎしりをする
硬い物を咬むクセがある
など、力が集中すると割れる可能性があります。
ただし、
噛み合わせの調整
ナイトガードの使用
強度の高い素材(ジルコニア)の選択
で、かなりリスクを下げられます。
④ まれに“しみ”が出ることがある
治療後すぐは、歯が敏感になってしみるケースがあります。
ほとんどの場合は数週間で落ち着きますが、患者さんが気になりやすい部分なので正直に共有しておきます。
セラミック治療がおすすめな人・向かない人
◎ おすすめな人
- 銀歯が気になって笑えない
- むし歯を繰り返したくない
- 歯ぐきの黒ずみを改善したい
- 前歯を自然に美しくしたい
- 金属アレルギーが心配
△ 向かない場合もある
- 歯の土台が弱すぎる
- 強い歯ぎしりがある(対策すればOK)
- 歯周病が進行している(治療が先)
このあたりは診察で判断しながら、一番良い方法をご提案する形になります。
まずは相談からで大丈夫!
初めてセラミック治療を検討する方は、
「どれを選べば良いかわからない」
「費用が心配」
「見た目にこだわりたい」
といった不安があるのが当然です。
大事なのは、
“自分にとって無理のない範囲で、必要な部分だけ治療すること”。
すべてセラミックにしなければいけない、ということはありません。
まずはお話を伺い、今のお口の状態に合わせて最適な選択肢を一緒に考えていますので、どうぞ気軽に相談してくださいね。
監修:デンタルフラッグ・ステージ二日町 院長 前澤訓(マエザワサトシ)

宮城県仙台市出身
日本歯科大学生命歯学部(東京)
口腔外科第二講座大学院卒業
2010年 デンタルフラッグ・ステージ二日町開業
宮城県歯科医師会代議委員
宮城県歯科医師連盟評議委員
宮城県日本歯科大学校友会理事
社会福祉法人未来福祉会理事
仙台市立広瀬中学校校医
ミッキーこども園園医
ぶんぶん保育園園医
少林寺拳法中拳士三段
(2025年11月現在)



