こんにちは。仙台市青葉区二日町の歯科クリニック『デンタルフラッグ・ステージ二日町』院長　前澤訓（マエザワサトシ）です。

近年、「白い歯にしたい」という患者さまが増えています。
その中でよく質問されるのが、

「保険の白い歯（CAD/CAM冠）と、自費のセラミックは何が違うの？」

という点です。
どちらも“白い歯”にはなりますが、実際には材料の特徴・見た目・耐久性・清潔さなど、違いがたくさんあります。

今回は、それぞれの特徴をできるだけわかりやすくまとめつつ、
「どんな方にどちらが向いているか」までお話ししたいと思います。

CAD/CAM冠とは？（保険の白い歯）

CAD/CAM冠（キャドカム冠）は、近年保険適用が広がったプラスチック系素材の白い被せ物です。

• レジン（プラスチック）とファイバーを混ぜた“ハイブリッド”素材
• 保険の範囲内で作れる
• 前歯から奥歯まで適用範囲が拡大中

「保険で白い歯が入れられる」ことで一気に人気が高まりました。

CAD/CAM冠のメリット

• 保険適用で費用が抑えられる
• 銀歯より見た目が自然
• 金属を使わないため 金属アレルギーの心配がない

費用面で選びやすく、「銀歯の見た目が気になる」という方の受け皿になる素材です。

CAD/CAM冠のデメリット

• 経年的に 変色しやすい
• プラスチック系素材のため 摩耗しやすく、割れやすい
• 歯ぐきとの境目の 適合精度はセラミックに劣る
• 汚れが付きやすく、むし歯・歯周病の 再発リスクがやや高い

「保険素材としては優秀」ですが、長期的な使用・見た目の自然さを求める場合には物足りないことがあります。

セラミックとは？（自費の白い歯）

セラミックは陶器に近い、ガラス質の素材を含む審美修復材料です。

• ジルコニア（人工ダイヤモンド）
• e.max（ガラスセラミック）
• フルセラミッククラウン
  など種類はいくつかありますが、どれも精度と耐久性に優れています。

セラミックのメリット

① 変色しない・色がきれい

自然な透明感があり、光の透け方が天然の歯に近いため 非常に美しい仕上がり に。

② 汚れがつきにくい

表面がガラスのようにツルツルしているため、
プラーク（歯垢）が付きにくく、口臭やむし歯の再発リスクが低い。

③ 歯ぐきが黒くならない

金属を使わないので、年数が経っても
歯ぐきの際が黒くなる心配がありません。

④ 強度・耐久性が高い

適切に作られたセラミックは非常に丈夫で、
長く使える のが魅力です。

⑤ 精度が高く、適合が良い

歯と被せ物の間に隙間ができにくいため、
二次むし歯の発生率が低いことが研究でも分かっています。

セラミックのデメリット

• 保険が効かないため 費用がかかる

どちらが長く保てる？

耐久性だけで比較すると、一般的には

セラミック ＞ CAD/CAM冠（ハイブリッド）

です。

CAD/CAM冠の寿命

• 2～5年程度といわれることが多い

セラミックの寿命

• 10年以上使われるケースが多い

• 15年以上問題なく使用されている例も多数

「費用が高く見える」セラミックですが、
長い目で見ると 交換回数が少なく、結果的にメリットが大きいことがあります。

見た目の違いは？

CAD/CAM冠

• 白さはあるが、透明感がやや少ない
• 経年劣化で黄色っぽくなりやすい
• 特に前歯だと周囲の歯と色の差が出やすい

セラミック

• 一人ひとりの歯の色に合わせて調整できる
• 自然な透明感、光の反射も本物の歯に近い
• 長く使っても変色しにくい

美容院で髪の色を合わせるのと同じように、
前歯の見た目にこだわるなら、セラミックの方が満足度が高いと感じる方が多いです。

むし歯・歯周病の再発リスクの差

実は「白いかどうか」よりもずっと大事なのが、
**歯と被せ物の適合精度（ぴったりさ）**です。

• 隙間が大きい → プラークが溜まりやすい → むし歯・歯周病が再発
• 隙間が小さい → 長く健康を維持しやすい

セラミックは削り出しの精度が高く、
歯との境目に汚れがたまりづらいため、再発予防に向いています。

こんな方にはどちらがおすすめ？

◎ CAD/CAM冠がおすすめな方

• とにかく費用を抑えたい
• 銀歯の見た目だけ改善したい
• 奥歯を白くしたいが、強度より費用を優先する

◎ セラミックがおすすめな方

• 長くトラブルなく使いたい
• 見た目の自然さを重視する
• むし歯を繰り返すのを防ぎたい
• 金属アレルギーがあり、より安全な素材を選びたい
• 前歯の治療で自然な色を求める

“白い歯にしたい理由”によって最適な選択は変わりますので、
治療前の相談の際にぜひお気軽にお話しください。

まとめ

• CAD/CAM冠は保険で白い歯にできる
• ただし「変色・耐久性・清潔さ」はセラミックのほうが優秀
• 長く快適に使いたい場合はセラミックが向いている
• 見た目の美しさはセラミックが圧倒的

それぞれにメリット・デメリットがありますので、
「どちらが良い・悪い」ではなく、
ご自身の目的・予算・歯の状態に合った選択が大切です。

当院では、素材ごとの特徴やリスクを丁寧にご説明し、
患者さまに安心して治療を選んでいただけるよう心がけています。

気になる点があれば、どうぞお気軽にご相談ください。

監修：デンタルフラッグ・ステージ二日町　院長 前澤訓（マエザワサトシ）

宮城県仙台市出身
日本歯科大学生命歯学部（東京） 口腔外科第二講座大学院卒業
2010年 デンタルフラッグ・ステージ二日町開業
宮城県歯科医師会代議委員
宮城県歯科医師連盟評議委員
宮城県日本歯科大学校友会理事
社会福祉法人未来福祉会理事
仙台市立広瀬中学校校医
ミッキーこども園園医
ぶんぶん保育園園医
少林寺拳法中拳士三段
（2025年11月現在）